記録十四 ページ15
春風が頬を緩く撫でゆく卯月某日
夕刻まで暇を貰ったので密璃ちゃんに教えてもらった甘味処へと向かった
そこは噂通りの賑わいで、昼前とはいえ大通り沿いに長い列ができていた
なんでも、この店のあんみつは絶品らしい
折角なので密璃ちゃんにもお土産を買って行こうと思っていたのだが、それも叶うかどうか怪しいところだった
そんな中、まだかまだかと騒ぎ立てる後ろの客にぶつかられ、目の前にいた高級そうな洋風の服を着た男に軽く当たってしまい
血の気がひいた
『!!!
申し訳ありません。
どこかお怪我や、汚れている所はありませんか?』
慌てて目視で服の汚れを確認し、咄嗟に顔を上げるとそこには美しい赤色の瞳があった
吸い込まれてしまいそうなくらい鮮やかな朱は その男の白い肌と艶のある黒髪を一層引き立たせるような眩しいものだった
この世のものとは思えない端麗さに思わず息を忘れる
「私のことは気になさらないでください。それより貴方は大丈夫ですか?
後ろの方にぶつかられていたでしょう」
物腰柔らかなその男は整った眉を下げ、煌びやかな見た目に反して服よりも俺の心配をしてくれた。
『ええ、私は人より丈夫なので…。ありがとうございます』
普段鬼の相手をしている様な自分達には、人間の力なんて些細なものだ。
なんて呑気に考えていると、折角だから一緒に茶をしようと誘われた
驚きはしたが、特に断る理由もないし、なんならお詫びとして奢らせてくださいと二つ返事で共に甘味処へ入って行った
その男は「月彦」と名乗った
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大正コソコソ噂話
麗さんは時々、甘露寺さんとお二人で甘味処巡りをしているそうですよ
このことは伊黒さんも許容しているらしく「甘露寺と麗は並んで歩いているだけで国宝だ」と豪語しているんだとか
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作者名:リュウグウ | 作成日時:2020年3月23日 17時