記録十三 ページ14
「もう煙管は吸わないのか?さっきのまだ吸えただろ」
俺は台所に行こうとした麗をすかさず呼び止めた
自分に引けを取らない色男がまさか煙管を嗜んでいたなんて、知る由もなかった。
似合うという範疇を越えた男の姿をこの目に収めておきたかったのだ
『いや、宇髄がいる前では吸えないだろう。お前らは肺を駄目にしたら元も子も無いんだから』
「地味に気遣ってんじゃねえ、いいんだよ俺のことなんて。それに、少しお前の煙吸ったくらいで潰される程弱くねえぞ」
気遣って貰えるのは嬉しいことだが、遠慮すんなと半ば強制的に吸わせる
『人が折角労ってやってるのに…』
と文句を垂れながら再び滑らかな手先でマッチを擦り火をつけ、
じゅ、と葉が焼ける音がすると煙管を形の良い口元に寄せる
仕草故か、少し伏し目がちになる麗はどこか遠慮がちで、虚ろな壊れ物の人形の様であった
『…なンだ、柱随一の伊達男にそんなに見つめられたら惚れちまうぞ』
俺的には派手に惚れてくれて構わないんだが。
本音はさておき
ふうっと恨めしい顔で煙を吐き、気怠げに燻らせる仕草に、こんな顔もできるのかと魅せられる
どう足掻いてももう手遅れだ。これほどまでに魅せられてはその先に待つ欲は
ひとつのみ
『俺ばっかり見てたって仕方ないだろう。…それとも鬼殺隊一の色男が見惚れる程、様になってるか?』
軽く挑発してくるような言葉を紡ぐ唇を睨みつけ、俺の半分もない手首を引っ掴み片膝を着いて上からじろりと品定めするように見下ろす
「あぁ、そうだ。派手に絵になる。細やかに描き留めておきたいくらいにな」
狩られる兎のような顔で狼狽えている麗の唇を親指でなぞる
「色香の出し方弁えないと喰っちまうぞ?」
その後、脳処理の追いつかなかった麗に平手打ちをくらい追い出されたので夕飯は嫁と食べた
美味かった
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作者名:リュウグウ | 作成日時:2020年3月23日 17時