自問自答 : Juri ページ7
「今日行ってみてどうだった?」
ママから聞かれて正直すぐに答えは出なかった。
北斗は黙って樹の方を見る。
まるで自分はお前について行くと言うように・・・
「正直パパは怖かった。行きたくないって思った。」
ママは少し悲しそうに眉を下げた。
ママの後ろに見えるカードの入った機械が目に入る。
「・・・ねえ、ママ。あれって何?」
「あれ?あれはね、タイムカードっていうものよ。ママたちがお仕事した時間を計ってくれるの。」
ママは驚きながらも答えてくれる。
なぜ今気になったのかわからない。
普段ならママありがとうってすぐ返せた。
ポケットに手を入れると半分に割れたクッキー。
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
「樹!これ、北斗と半分こして食べてね。」
「今日すっごく楽しかった!ありがとう!」
「うん!これはね、友達になれたよって証だから!」
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そっか、ここは本当のおうちじゃないんだ。
北斗と樹のパパはここにはいなくて、
ママは本当のママじゃないから
いつか出ていかなくちゃいけないんだ。
「ママ、ありがとう。」
「・・・うん。」
樹は北斗の顔を見てからもう一度ママに向き直った。
「パパは嫌だ。でも大我と優吾と一緒にいたい。」
「北斗もそうでしょ?」
「北斗は樹についてく。」
ママはゆっくり頷いてから樹と北斗の頭を優しく撫でた。
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@Yuua.(プロフ) - しずくさん» Thank you for your feedback!! これからも自分のペースでのんびり更新していきますがよろしくお願いいたします。 (2021年3月13日 23時) (レス) id: 14644af0ff (このIDを非表示/違反報告)
しずく - すごく面白いです。更新を楽しみにしています。これからも体調に気をつけて頑張ってください。 (2021年3月12日 21時) (レス) id: 0ac6e112f4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:@Yuua. | 作成日時:2021年3月10日 15時