クッキー : Taiga ページ2
「ねえ、優吾兄ちゃん。」
袖を引っ張ると優吾兄ちゃんは何かあったと聞いてくれ頭を撫でてくれた。
「今日って久しぶりにお出かけできるの?」
「そうだよ、大我。今日は新しいお友達に会えるってパパが言ってた。」
兄ちゃんはそう言って嬉しそうに笑う。
そんな兄の目を見て大我はつい本音が溢れでた。
「怖い・・・」
「ん?」
「俺怖いよ・・・新しい友達なんかいらない!」
大我の頭の中にはうっすらと殴られて傷だらけになった自分を庇う兄ちゃんが浮かんだ。
思わず兄ちゃんの肩に顔をうずめる。
「大我。大丈夫だよ。」
兄ちゃんはそう言って頭を撫でてくれる。
心を埋めてた得体の知れない恐怖がスーッと出ていく気がした。
「そうだ、大我。」
無性に拗ねたくなってそっぽを向く。
「クッキー持っていこっか。」
「クッキー?」
「うん。この前涼太くんとお友達になった時にクッキー貰って仲良くなれただろ?」
ずっと前の出来事だった。
公園のブランコでかわりばんこをしようと声をかけてくれた男の子。
2人乗りしたり、一緒におにごっこをしたりした。
最後に男の子は名前は宮舘涼太だと名乗り友達の証としてクッキーをくれた。
それからしばらく公園に通う毎日が続いたが、涼太くんはいつの間にかこなくなっていた。
「涼太くんみたいにいなくならないかな・・・」
「大我の気持ちを言えたらきっと良い友達になれるよ。」
優吾兄ちゃんはクッキー缶を開けて俺に1枚渡した。
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@Yuua.(プロフ) - しずくさん» Thank you for your feedback!! これからも自分のペースでのんびり更新していきますがよろしくお願いいたします。 (2021年3月13日 23時) (レス) id: 14644af0ff (このIDを非表示/違反報告)
しずく - すごく面白いです。更新を楽しみにしています。これからも体調に気をつけて頑張ってください。 (2021年3月12日 21時) (レス) id: 0ac6e112f4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:@Yuua. | 作成日時:2021年3月10日 15時