お寝坊さん : Hokuto ページ1
「樹起きて。遅刻する。」
布団に包まる樹を揺さぶるとあと5分という力ない答えが返ってきた。
「こんな大事な日まで寝坊する気?」
「そうよ樹。せめて今日くらい起きなさい。」
北斗の後ろから柔らかい女性の声が飛んできた。
「あ、ママ。おはよう。」
「おはよう。樹は今日も寝坊ね?」
「うん、せっかく久しぶりにお出かけできるのに・・・」
「ほーら、樹!北斗まで遅刻させない!」
ママは布団を思い切りめくりテキパキと畳んだ。
樹はのっそりとベッドから這い出てくる。
「おはよママ・・・。」
「ご飯できてるから降りてらっしゃい。私はあと美咲と蓮を起こしてくるから。」
「蓮まだ起きてないの?」
「蓮も寝坊よ。樹おそろいだね。」
そういうとママは部屋から出て行った。
「樹髪の毛すごいから。」
タンスの上の鏡を手に取り突きつけると樹は眉毛を下げた。
「直す・・・」
樹の髪の毛を2人がかりでくしゃくしゃしながら部屋を出ると誰かにぼふっと飛びかかられる。
「北斗ー!おはよ。私の勝ちだね。」
「美咲朝からうるさい・・・」
「おはよ樹くん。」
「おはよう蓮。」
あくびをしながらクマのぬいぐるみを引きずる蓮と困り顔の俺を見てニコニコしてる美咲。
ここ蓮川孤児院ではごく当たり前であり、
北斗にとって血の繋がらない兄弟たちは大切以外の何者でもなかった。
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@Yuua.(プロフ) - しずくさん» Thank you for your feedback!! これからも自分のペースでのんびり更新していきますがよろしくお願いいたします。 (2021年3月13日 23時) (レス) id: 14644af0ff (このIDを非表示/違反報告)
しずく - すごく面白いです。更新を楽しみにしています。これからも体調に気をつけて頑張ってください。 (2021年3月12日 21時) (レス) id: 0ac6e112f4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:@Yuua. | 作成日時:2021年3月10日 15時