7話:緊張 ページ7
「…食事を取りに行こう」
「何から何までありがとうございます」
至れり尽くせりなのでマスルールさんに感謝を述べる。
「構わない」
素っ気ない感じではなく本当に気にしていないような、そんな言い方で先導してくれる。
歩幅も合わせてくれていてとても親切だ。
邪な感じが全くしないというのは初対面で珍しい。マスルールさんを警戒する必要は無いと直感だがそう思った。
白を基調とした廊下を進んでいると、茶色い大きな扉が目に止まった。
「ここで食事が食べれる。量が多いと思うから残すと良い。」
そう言ってその扉を開け、中に入るよう促すマスルールさんに答えそのまま入る。
部屋の中には大きな円状の机が置いてあり、椅子が9つ。そのうちの2つに褐色肌の男性と水色の髪の少女がそれぞれ座り食事を取っていた。
私とマスルールさんの入室に気がつくや否や、2人は食事を中断し、目をこれでもかという程に開いて固まってしまった。
？え、部屋間違えた？いや、でもマスルールさんが間違えるわけもないし…？
「……失礼します?」
首を傾げながらそう呟くと、2人は慌てて席を立ち、目の前に跪いた。
「し、失礼しましたっ」
あまりの素早さにびっくりだ。
「こちらこそ、食事中にすみません。えっとあれでしたら出直してきますので。」
「いえ、マギ様にそんな、滅相もございません！」
「俺、あ、いや私らがっでえっ」
「ちょっとシャルルカン！シャキッとしなさいよ！」
「ヤムライハ、おまっ肘打ちとかやめろよ」
なんとまあ、喧嘩をし始めてしまった。
この国を知るついでに食事中お話できたらなんて考えは崩れ去った。
人がいる前で喧嘩…
この国あんまし良い印象ないかも…？
唯一マスルールさんはなんかもう癒しの極みだとは思う。
うんうん1人で納得している私。取っ組み合いを始める2人。無言で佇むマスルールさん。
なんとカオスな空間でしょう。
お腹、すいたな……
そんな呑気な事を考えていたらガシャンっと硝子が割れたような大きな音が外で響いた。
「なんだ今のっ」
「結界がっ」
皆で外に出る。
空を見上げるとはるか上空で何かが割れていた。結界と、ヤムライハさんが言っていたのでそれだろう。
と同時に、人がゆっくりと舞い降りてくる。
「!?」
驚きに固まる私の前にマスルールさんが庇い立った。
そのさらに前に、シンドバット王が立つ。
「何のようだジュダル」
「そう邪険にすんなよ。挨拶に来ただけだって、な。最古のマギ様？」
「え」
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眼鏡 - この先すごく楽しみです！更新頑張ってください！面白かったです (2018年10月7日 19時) (
レス) id: c0b6d2e0e3 (このIDを非表示/違反報告)
鮫尾(プロフ) - ファウストさんコメントありがとうございます！これからもよろしくお願い致します (2017年10月22日 15時) (レス) id: 288dceacd6 (このIDを非表示/違反報告)
ファウスト(プロフ) - とても良かったですよ！更新頑張って下さい！応援してます！ (2017年10月22日 12時) (レス) id: 2967d5163e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：鮫尾 | 作成日時：2017年10月22日 6時
