貴方を愛していた【煉獄杏寿郎】 (ページ6)

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#期待5 ページ6

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男女の交際が壊れかけてしまったならどう復縁すればいいのか。

それの「絶対」の答えなど存在しない。

ただ、癇癪によって勢いで別れるような形になったのであれば復縁することなど簡単なのだ。

「もう彼女と仲直りしたの？」
「単純ですまない。ただ、アドバイス通り互いの意見を聞いて話し合ったらな」
「良かったじゃない、流石プレイボーイ」

期待させただけで何も関係が変わることない。アドバイスを求めてくる程度信頼感が出来たというのは変わったと言えるのかも知れないが。

「彼女の事は好き？」
「うむ！世界で1番といってもいいほど」

叩き落とすのが上手だこと、煉獄さん。
へぇと白い目をして見たくなってしまうので瞼を下ろす。

薄目を開けるとポツンと額に水滴が当たった。

「……今日はここまでだね。明日も雨らしいし、しばらくは無理かな。煉獄さん、じゃあね」
「風邪をひかないよう気をつけるんだぞ」
「はーい」

お母さんかなと苦笑しながら部屋に入る。
夫はソファで本から私に視線を移して話しかけた。

「お隣さんも喫煙者だったの？」
「やっぱり私みたいな人は多いみたいだよ」
「若い頃から吸ってて……心配だね。Aもそろそろ禁煙した方がいいんじゃない？」

柔らかい雰囲気の彼にお小言を言われてもそんな悪い気はしない。悪戯を仕掛ける子供のようだとつくづく思う。

笑って流せば普通の世間話に変わっていく。

別に夫婦仲が悪い訳じゃない。ただ少し、私を振り回す彼に惹かれてしまうところというものがあるのだ。

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