うそつきとキス 2

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「れん、」


快楽の渦の中で何度も呼ばれる自分の名前。
その度に胸の奥が小さく疼く。
もっと俺でいっぱいにして。

少しでいいから、翔太くんより俺を求めて。
そんなことを思いながら、Aさんの体に必死に自分の証を残す。




「ん…っ、れん、」



俺の思いを受け止めるかのようにAさんも必死に俺の体に絡みつく。
耳元に感じる熱い吐息が、欲望を更に掻き立てる。



「Aさ、ん…っ」

「れ、んっ」



繰り返される甘い吐息に包まれた呟きは、軋むベッドへと吸い込まれていく。

もう、どちらがどちらの汗なのか分からないくらいに混ざり合い、2人の間にこもる熱はただ膨張していくだけだった。




「れん、すき…っ」




Aさんのその言葉に一気に自分のなかの何かが弾け飛んだのが分かった。
この思いがなんなのかなんてもう知らない。
ただ今はAさんをひたすらに感じていたい。




「俺も」


妙に掠れたその声は、口づけのなかに吸い込まれた。



もっと、俺を求めて。

もっと、俺を。

もっと、もっと。





例え、最初は快楽で繋がる、そんな関係だったとしてもそこから生まれる何かがあるのでは、と必死に追い求めた。




首元に回されたAさんの腕に力が篭る。
それを合図に交わりはより一層熱を帯びる。
Aさんも俺の動きに食らいつくように身をよじる。




好きだ。

好きだ。

どうしようもなく。





溢れ出した思いが弾けると耳元にAさんの荒い呼吸が転がり落ちてくる。
Aさんの汗ばんだ額に口づけをひとつ落とすと、俺たちはもう一度強く抱き合った。





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