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Tatsuya side
「なべ、なんかこんな空気に巻き込んでごめん、」
「いや、べつにそれはいいんだけど、」
そう口では言いつつも、なべの目は明らかに動揺を隠しきれずに揺れていた。
そりゃそうだ。
もし自分がなべの立場でも同じように感じるだろう。
現に今だって、この状況の息苦しさに今すぐ逃げ出してしまいたい衝動に駆られているし。
「康二がよく彼女の自慢してたからどんな子だよ、って思ってたけど、Aちゃんなら納得だわ」
ふっかも付き合ってた時、めちゃくちゃデレデレしてたもんなー、なんてなべが笑う。
その笑いが悪気のないものだと分かっていても、今ここでそれを言わなくてよくね？なんて思ってしまう。
結局、どう反応したらいいかわからず、曖昧に笑みを返すことしかできない。
なべには、偶然、康二を送り届けたときに再会した、としか言わなかった。
俺が4年前から今までずっとAのことを引きずって未練たらたらなことも、ついこの間、体の関係を持ってしまったことも、言わずにそっと蓋をした。
それを言ったら余計、ここに流れる空気は気まずくなるのが目に見えていたし、なべのことだから変に態度に出たりしそうだし。
「俺ら、別に悪い別れ方だったわけじゃないから、そこは気遣わないで」
本当は引きずるくらいに最悪の別れ方ではあったけれど、そんなことを言って余計な気をなべには使わせたくなかった。
わざとらしく言った"悪い別れ方じゃなかった"ってその言葉が俺の首を絞めつける。
「それならいいけど・・・」
「でも、なんか元カノが同じグループのメンバーの彼女になってるって、すげぇ気まずくね？」
なべのオブラートに包まれていないストレートな言葉に、なぜか笑いが込み上げてくる。
そこまでドストレートに言えるなべってすげぇな、って。
「それな、」
「ほんとにね」
人生って何があるかわかんねぇから怖いし、面白い。
今のこの状況はどっちかって言えば、最悪の部類に分類されるだろうけれど。
現実は小説よりも奇なり、なんて言葉を考えた人を尊敬してしまうくらいに、今のこの状況はその言葉にぴったりだった。
結局、なべの言葉に耐え切れず俺が笑いだせば、その笑いはどんどんと伝染していって最終的には3人で顔を見合わせて笑っていた。
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さーや(プロフ) - リナさん» 最後まで読んでいただきありがとうございました！着地地点、書いている私もどうなるんだ？？って思いながら書いていました…笑 きっとこの2人ならこういう風になるかな〜と。 (2020年6月1日 16時) (
レス) id: 4528227f28 (このIDを非表示/違反報告)
リナ(プロフ) - 最後めっちゃ良かったです！これ着地点どうなるんだ？ってドキドキしながら見てました！ちゃんと前向いてる感じが良いですね！良い夢見れそうです (2020年5月31日 23時) (レス) id: 7aedc618bf (このIDを非表示/違反報告)
さーや(プロフ) - ハロさん» ありがとうございます！書きながら着地地点どうなるんだ？？って書いてる本人がなっていますが（笑）多分切ない展開にはなるはず…！ご期待に添えるように更新頑張りますー！ (2020年5月27日 19時) (レス) id: 6178770b80 (このIDを非表示/違反報告)
ハロ(プロフ) - いつもドキドキしながら読ませてもらってます！二人とも大好きなので今後切ない展開になるかもと勝手に想像して苦しんでます（笑）さーやさんの文章は情景の描写がすごく上手でどんどん引き込まれて大好きです！これからも更新楽しみにしています！がんばってください！ (2020年5月27日 17時) (レス) id: 04eaede967 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：さーや
| 作成日時：2020年5月27日 15時
