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これから撮影が始まるっていうのに、そんな意地の悪い冗談を言って、康二を困らせて俺は一体何がしたいのだろう。
バカみたいだ、
康二が俺とAの関係性を受け入れる余裕がないのと同じように、俺だってAとの関係を康二に打ち明ける強さはないのに。
なのに、一方的に康二のことを煽り立てるようなことをしてしまったのは、多分、目の前の康二が自分の姿とどこかでダブって見えたからかもしれない。
結局、俺のあの言葉のせいで、撮影が始まっても康二はどこか浮かない顔。
明らかにいつもと違う康二の姿に周囲が口々に心配の言葉を掛けている。
そんな康二の姿を見て、申し訳ないって思う気持ちと、プロなんだからそこは割り切ってやれよ、なんて思うどこまでも黒い俺とが鬩ぎあう。
俺っていつからこんなに性格悪くなったんだっけ、って思うくらいにこの件に関してはどす黒い感情がとめどなく溢れ出してくる。
そんな康二の姿を見て、何かを察したであろうなべが俺の隣へとやってくる。
「ふっか、お前康二になんか言っただろ」
なべの言葉はもう康二のあれは明らかに俺のせいだ、って確信したかのように低くて鋭い。
「べつに」
「ぜってぇ嘘じゃん。康二明らかなんかありましたって顔してる」
「・・・なんかすっげぇ腹立ったんだよ」
「は？」
何言ってんの？みたいな険しい顔したなべが俺の顔を覗き込む。
「だから、『俺とAが付き合ってた、って言ったらお前どうすんの？』って聞いただけ」
「・・・康二、なんて？」
「驚いた顔したまんま、なーんも」
「それであんな感じなわけか、」
なべがチラリ、と視線を向けた方向には浮かない顔をした康二の姿。
そんな康二を見て、あぁいう風に素直に感情を出せるのは、あいつのいいところでもあり、反対に悪いところでもあるな、なんて思う。
そして今はどちらかと言えば、それは悪いほうに出てしまっているから、仕事の現場ということもあってそれが余計に俺を苛立たせた。
「大人気ないって分かってんの、でもなんかさ、康二が何を思って、これからどうしたいのか、っていうのが全然分かんなくてさ。そしたらなんか急にすげぇ腹が立って」
康二のあの顔が胃をキリキリとさせる。
それに耐えるように俺は奥歯にギュッと力を込めた。
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さーや(プロフ) - リナさん» 最後まで読んでいただきありがとうございました！着地地点、書いている私もどうなるんだ？？って思いながら書いていました…笑 きっとこの2人ならこういう風になるかな〜と。 (2020年6月1日 16時) (
レス) id: 4528227f28 (このIDを非表示/違反報告)
リナ(プロフ) - 最後めっちゃ良かったです！これ着地点どうなるんだ？ってドキドキしながら見てました！ちゃんと前向いてる感じが良いですね！良い夢見れそうです (2020年5月31日 23時) (レス) id: 7aedc618bf (このIDを非表示/違反報告)
さーや(プロフ) - ハロさん» ありがとうございます！書きながら着地地点どうなるんだ？？って書いてる本人がなっていますが（笑）多分切ない展開にはなるはず…！ご期待に添えるように更新頑張りますー！ (2020年5月27日 19時) (レス) id: 6178770b80 (このIDを非表示/違反報告)
ハロ(プロフ) - いつもドキドキしながら読ませてもらってます！二人とも大好きなので今後切ない展開になるかもと勝手に想像して苦しんでます（笑）さーやさんの文章は情景の描写がすごく上手でどんどん引き込まれて大好きです！これからも更新楽しみにしています！がんばってください！ (2020年5月27日 17時) (レス) id: 04eaede967 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：さーや
| 作成日時：2020年5月27日 15時
