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Aちゃんの家に着き、申し訳ないとは思いつつ、部屋のドアを開ける。
「ごめんな、すぐいなくなるから許したって…」
誰がいるわけでもないのに、謝りながら足早に入り込む。
こんな酔った女の子の家に初対面の男が踏み込むなんて、妙な罪悪感。
フローリングから上がる小さな冷気が足に絡みついていく。
「ベッド、ベッド…」
俺の背中ですやすやと眠ったままのAちゃんを乗せたまま、きょろきょろと部屋の中を見渡す。
あそこっぽいな、とリビングから続くドアを開けると、シンプルにまとめられた寝室がそこにはあった。
「ごめんな、おろすで」
ベッドに腰かけ、ゆっくりと背中のAちゃんを下ろす。
んん、と小さく漏れる声に、感情とはまた別の生理的な部分がむくむくと疼くような気がして、それを必死に抑え込む。
あかん、そういうことだけは絶対にあかん、
腹の下のほうで疼く感覚を必死に鎮め込む。
ベッドに横たわるAちゃんを見下ろすと、規則正しい寝息をあげていた。
「ほんまよぉ寝るな、」
まぁ俺の代わりに結構酒を飲んだのだから当たり前と言えば当たり前か。
見ず知らずの初対面の男をあんな風に自然に庇ってくれたAちゃんは、すごいな、なんて思う。
そんなことを考えながら、少し汗で張り付いた前髪をそっと撫でると、Aちゃんは気持ちよさそうに「ふふ、」と小さな笑い声をあげた。
さて、帰ろう。
気持ちよさそうに眠るAちゃんに布団を掛け、寝室のドアを閉めた。
帰り際、「あ、そや」と思い出し、カバンからいらなくなった資料を取り出すと、その裏にペンを走らせた。
『今日はほんまにありがとうございました。
お礼出来ることがあればなんでもするので、連絡ください。 むかい』
その言葉とともにメッセージアプリのIDを書き、リビングのテーブルの上に置いた。
バタン、と閉めたドア。
俺の背中には、まだ先ほどまでそこにいたAちゃんの体温が残っている気がした。
耳を傾ければ、規則正しい寝息も聞こえてきそうなその感覚に、俺は小さく笑うと、マンションの階段を一気に駆け下りた。
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さーや(プロフ) - みきさん» コメありがとうございます。私自身、アイドル設定で書いてしまうことが多いのでなかなかこういう設定で書くこと少ないのですが、少しずつ挑戦してみますね！特に阿部ちゃんはまだ書いたことないので、書いてみたいな〜と思ってます…！ (2020年3月30日 17時) (
レス) id: 4528227f28 (このIDを非表示/違反報告)
みき(プロフ) - 芸能人・アイドル設定が、あまり好きでないので、このような会社員設定でピュアさがあるのが好きです。こちらの康二くんストーリーのようなピュアさ満載のストーリーを、今後は ふっかさんや阿部ちゃんでも書いて頂きたいです。よろしくお願いいたします。 (2020年3月30日 14時) (レス) id: 5ca5d758c8 (このIDを非表示/違反報告)
さーや(プロフ) - riiiさん» コメありがとうございます！このお話でお仕事の疲れ癒せてますか・・・？こちらこそそんな風に言っていただけて嬉しいです。ありがとうございます〜これからも更新していきますので、もしよければ読んでくださいね！ (2020年3月28日 16時) (レス) id: 4528227f28 (このIDを非表示/違反報告)
さーや(プロフ) - みきさん» コメありがとうございます。子どもっぽくて純粋な感じの康二くんが書きたかったので、そう言っていただけて嬉しいです〜今のところ不穏な流れになってますが（笑）これからも読んでいただけると嬉しいです。 (2020年3月28日 16時) (レス) id: 4528227f28 (このIDを非表示/違反報告)
riii - 初コメ失礼します。いつも仕事で疲れた心をこのお話で癒してもらってます！ありがとうございます^ ^大変だと思うのですが、更新楽しみにしています！ (2020年3月27日 11時) (レス) id: 57b32ac5d0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：さーや
| 作成日時：2020年3月18日 11時
