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情事後、俺の腕の中、今にも寝てしまいそうなAちゃんの髪をそっと撫でる。
微かな刺激に眉間にシワを寄せると「くすぐったい」とAちゃんは呟く。
「ねぇAちゃん？」
「なぁに」
眠さがピークなのか、舌っ足らずな声でAちゃんが返事をする。
「今日のあの人とはほんまになんもない？」
俺の言葉にAちゃんは「ないよ、ほんとにない」と否定する。
「ほんまにほんま？」
「…もう、こーじ心配しすぎ」
「やって、」
あのときあの男が向けた視線と最後に俺に向けたあの笑い。
そのとき感じた胸のざわめきがどうしても消えてなくならない。
Aちゃんにどんなに「大丈夫だよ」「康二しか見てないよ」と言われても、あの男のあの表情は俺に何かを言いたそうなそんな視線に、一抹の不安を覚えたのは確かだ。
それがAちゃんの知る範疇の外の出来事であっても、Aちゃんが知らないうちにあの男の掌の中で転がされていくような気がしてならなかった。
「康二だけだよ」
Aちゃんはそう言うと身体を近づけ、ぎゅっと抱きしめる。触れ合う素肌の間に生まれる体温が妙に生々しく感じる。
「俺もAちゃんのこと好きやで」
「知ってる」
ふふ、と悪戯に笑うAちゃんの声が耳元で響く。
「…だから、俺のこと嫌いにならんといて」
「嫌いになんかなるわけないでしょ」
Aちゃんの手が俺の髪へと伸び、優しく撫でおろす。
ゆっくりと撫でるその手がやけに優しく感じて、小さく視界が滲む。
「ほんまに好きなんやから、」
俺の腕の中、気持ちよさそうに目を閉じるAちゃんの額に小さなキスを落とす。
互いの体が重なりあって、ひとつの体温を作り上げていく。
その温かさに包まれていたら、さっきまでのモヤモヤは少しずつ影を薄くしていった。
ふわぁぁ、
俺があくびをすると、Aちゃんにもあくびが伝染する。
「おやすみ」
「おやすみ」
触れ合うだけのキスをすると、俺たちはそっと目を閉じた。
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さーや(プロフ) - みきさん» コメありがとうございます。私自身、アイドル設定で書いてしまうことが多いのでなかなかこういう設定で書くこと少ないのですが、少しずつ挑戦してみますね！特に阿部ちゃんはまだ書いたことないので、書いてみたいな〜と思ってます…！ (2020年3月30日 17時) (
レス) id: 4528227f28 (このIDを非表示/違反報告)
みき(プロフ) - 芸能人・アイドル設定が、あまり好きでないので、このような会社員設定でピュアさがあるのが好きです。こちらの康二くんストーリーのようなピュアさ満載のストーリーを、今後は ふっかさんや阿部ちゃんでも書いて頂きたいです。よろしくお願いいたします。 (2020年3月30日 14時) (レス) id: 5ca5d758c8 (このIDを非表示/違反報告)
さーや(プロフ) - riiiさん» コメありがとうございます！このお話でお仕事の疲れ癒せてますか・・・？こちらこそそんな風に言っていただけて嬉しいです。ありがとうございます〜これからも更新していきますので、もしよければ読んでくださいね！ (2020年3月28日 16時) (レス) id: 4528227f28 (このIDを非表示/違反報告)
さーや(プロフ) - みきさん» コメありがとうございます。子どもっぽくて純粋な感じの康二くんが書きたかったので、そう言っていただけて嬉しいです〜今のところ不穏な流れになってますが（笑）これからも読んでいただけると嬉しいです。 (2020年3月28日 16時) (レス) id: 4528227f28 (このIDを非表示/違反報告)
riii - 初コメ失礼します。いつも仕事で疲れた心をこのお話で癒してもらってます！ありがとうございます^ ^大変だと思うのですが、更新楽しみにしています！ (2020年3月27日 11時) (レス) id: 57b32ac5d0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：さーや
| 作成日時：2020年3月18日 11時
