落とし物 ページ30
Ren side
コンビニに着き、不安そうに俺のほうを見るラウール。
そんな視線を無視して、俺は店内をぐるり、と見渡す。
あ、いた。
お菓子の棚のところ、商品を並べているあの子を見つける。
「ラウ、いた。行ってくる」
「ねぇ、めめ、ほんとに？」
俺の腕を小さく掴むラウの手を引きはがし、「お前は、雑誌でも読んで待ってろ」と伝え、お菓子売り場へと進む。
お菓子の棚を整理しているその子の隣に立ち、お菓子を吟味するフリをして様子を伺う。
しばらくして、俺の視線に気づいたのか、その子は俺のほうへと視線を向ける。
「どうかされましたか？」
首を傾げるその子に「あの、ちょっとお願いしたいことがあって」と声を掛ける。
「なんでしょう？」
「…実は、さっきまでスマホ持ってたんですけど、どっか落としちゃったみたいで」
多分、このお店の中にはあると思うんですけど、と続けると彼女は「それは大変ですね、探しましょう」と立ち上がる。
「多分、音鳴ると思うんで、お姉さんのスマホから鳴らしてもらえません？」
「え、私のですか？」
「持ってます？スマホ」
持ってますけど…と彼女は制服のポケットからスマホを取り出す。
「ほんと、お願いします」
「はぁ…」
あまり乗り気ではない彼女を押し切って、自分のスマホの番号を読み上げる。
彼女のスマホが発信画面に切り替わったと同時に、お菓子の棚の横側から、着信を知らせる音が聞こえる。
お菓子の棚の下の隙間からスマホを取り出し、「ありました」と彼女にスマホを掲げて見せる。
「すみません、協力してもらって」
「無事見つかってよかったです」
ありがとう、と頭を下げると彼女もそれにつられるように頭を下げる。
そのあとは、店内を適当に歩き、大して欲しくないお菓子と飲み物、あとはラウールお望みの肉まんとピザまんを買う。
雑誌売り場に立っていたラウールに小さく目配せをし、先に外に出ると、あとから俺を追いかけるようにラウールが店から出てきた。
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さーや(プロフ) - ひとみさん» コメありがとうございます。私も岩本くんがんばれー！と思いながら書いてます。笑 また更新しますので、読んでいただけると嬉しいです〜 (2020年3月16日 21時) (
レス) id: 6178770b80 (このIDを非表示/違反報告)
ひとみ(プロフ) - 冷たい態度を取られている、岩本君に「頑張れ！！」と応援してしまいます^ ^お話も面白くて、情景が浮かんで、読んでますよ〜 (2020年3月16日 18時) (レス) id: 795ac4ea66 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：さーや
| 作成日時：2020年3月15日 11時
