カンガルー ページ40
Ren side
なんとなく、目が覚めた朝。
スマホを見ればまだ朝の5時。
ベッドの隣では、Aが小さな寝息を立てながら気持ちよさそうに寝ている。
Aさんを起こさないようにそっとベッドを抜け出すと、テーブルに置いたタバコに手を伸ばす。
ベランダに出て、タバコに火をつける。
少しずつ明るくなっていく空と、まだ冷たさの残る外気の中で、ふぅーっと煙を吐き出した。
今日はたしか、昼過ぎから仕事だったっけ。
それならこのあともう1回寝れるな、なんて考えながら、空を横切るスズメの追いかける。
「なにしてんの、」
気付くと、後ろにAさんが眠そうな目を擦りながら立っていた。
「起こしちゃった？」
「ううん、」
でも隣に目黒くんいないからちょっとびっくりした、とふにゃふにゃした笑顔を浮かべるAさん。
すっぴんで、少し寝癖のついた毛先が、その姿を子どもっぽく見せる。
「もうちょっとしたら戻るから先ベッド戻ってなよ」
「やだ」
いくら暖かくなってきたとは言え、まだ朝は冷える。
「じゃぁ、ここおいで」
そう言って、腕を広げるとAさんは少し困ったような笑顔を浮かべたあとで「じゃぁお邪魔します」と入り込んでくる。
「目黒くんあったかい」
俺の腕の中にすっぽり収まるAさんはそう言うと小さく笑い声をあげた。
「…なんかカンガルーの気持ちがちょっとわかる気がする」
「なにそれ」
「あったかくて出たくなくなる感じ」
Aさんはしっかりしてるくせにたまにこうやって変なことを言うから、面白い。
いつもは俺の無知に呆れた表情を向けるけど、Aさんだって俺とどっこいどっこいだと思うんだけど。
そんなことを思いながら、また煙を吐き出す。
ゆらゆらと朝日に照らされた空を上る煙を、2人でぼーっと見上げる。
「そろそろ戻ろ」
「ん」
Aさんの肩を抱き、部屋の中へと戻る。
ベッドに潜りこみ、冷えたつま先を絡ませ合う。
互いの足が絡み合ったところに生まれた温もりがなんだかくすぐったい。
俺たちはそんな温もりを感じながら、2人でそっと笑い合って目を閉じた。
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さーや(プロフ) - なぎぷちょへんざーさん» 聞きました！月が綺麗ですね、の意味をめめが知ってて衝撃だったんですが？！笑 壁に穴開けよ、がもうめめ過ぎて笑いましたw (2020年4月3日 7時) (
レス) id: 6178770b80 (このIDを非表示/違反報告)
なぎぷちょへんざー(プロフ) - この小説お気に入りです！素のまんま聞かれました？お便りの内容を聞いた瞬間この小説を思い出しました、笑 (2020年4月2日 22時) (レス) id: 831076a685 (このIDを非表示/違反報告)
さーや(プロフ) - 夢さん» コメありがとうございます！どういうお話の展開にするか悩んでいたのでそう言っていただけで嬉しいです…！ありがとうございます！ (2020年3月23日 20時) (レス) id: 6178770b80 (このIDを非表示/違反報告)
さーや(プロフ) - たぴおかさん» アーカイブでひーくんチュロス見ましたがあれはたしかにやばい…！！うどんで盛り上がるスノちゃんたちが可愛すぎました…！ (2020年3月23日 20時) (レス) id: 6178770b80 (このIDを非表示/違反報告)
夢(プロフ) - 初めまして。コメント失礼します。今まで色んな作品を拝見してきたのですが、久しぶりにここまで展開が気になり夢中になって最後まで読んじゃいました。とても素敵な作品でした！ (2020年3月22日 21時) (レス) id: 97d80eb079 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：さーや
| 作成日時：2020年3月9日 17時
