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「大変だけど頑張ってね」
「ん。Aさんもね」
目黒くんは今日はお迎えが来るらしいので、アパートの前でお別れ。
目黒くんが私の髪をぐしゃぐしゃに撫でるものだから、それに対して文句を言えば、目黒くんは大きな笑い声をあげるだけだった。
じゃぁね、と目黒くんに手を振り私は駅へと歩みを進める。
目黒くんと別れた瞬間、どっと身体のだるさが増す。
これ今日一日乗り越えられるかな…そんな不安を抱えながら、重たい身体を必死に動かした。
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「あー…もう無理」
なんとか必死に今日のメインの打ち合わせは終えることが出来た。
プレッシャーから解放された身体は、もう完全に使い物にならないほど風邪に浸食されている。
重たい身体をデスクに投げ出していると、見兼ねた上司から「もう帰れ」と神のようなお言葉。
いつもなら形だけでもまだいます、とか言うけれど今日はもうそんなこと言えないくらいにキツイ。
お言葉に甘えて半休をもらうことにした。
電車に乗って家に帰ることを想像したら、重たい身体はさらに鉛のように重くなる。
やめよ、今日はもうタクろう。
重たい身体をタクシーに押し込み、帰宅する。
家に着くと、部屋着に着替えて早々にベッドに潜り込む。
ベッドに入るとすぐに意識が遠くへ行く感覚になる。ほわほわした感覚に包まれながら私はそっと目を閉じた。
…あぁなんか苦しい。痛い。
助けて、って声を出そうとするけど、それは声にはならない。
代わりに必死に手を伸ばすけれど、それも上手くできない。
なに、これ、
…さん?
‥‥…Aさん?
遠くで私を呼ぶ声が聞こえる。
重たい瞼を無理矢理こじ開けると、目の前には心配そうに私のことを覗き込む目黒くんの顔がぼんやりと浮かぶ。
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さーや(プロフ) - なぎぷちょへんざーさん» 聞きました!月が綺麗ですね、の意味をめめが知ってて衝撃だったんですが?!笑 壁に穴開けよ、がもうめめ過ぎて笑いましたw (2020年4月3日 7時) (レス) id: 6178770b80 (このIDを非表示/違反報告)
なぎぷちょへんざー(プロフ) - この小説お気に入りです!素のまんま聞かれました?お便りの内容を聞いた瞬間この小説を思い出しました、笑 (2020年4月2日 22時) (レス) id: 831076a685 (このIDを非表示/違反報告)
さーや(プロフ) - 夢さん» コメありがとうございます!どういうお話の展開にするか悩んでいたのでそう言っていただけで嬉しいです…!ありがとうございます! (2020年3月23日 20時) (レス) id: 6178770b80 (このIDを非表示/違反報告)
さーや(プロフ) - たぴおかさん» アーカイブでひーくんチュロス見ましたがあれはたしかにやばい…!!うどんで盛り上がるスノちゃんたちが可愛すぎました…! (2020年3月23日 20時) (レス) id: 6178770b80 (このIDを非表示/違反報告)
夢(プロフ) - 初めまして。コメント失礼します。今まで色んな作品を拝見してきたのですが、久しぶりにここまで展開が気になり夢中になって最後まで読んじゃいました。とても素敵な作品でした! (2020年3月22日 21時) (レス) id: 97d80eb079 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:さーや | 作成日時:2020年3月9日 17時