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「これをこれにつけると最高だと思うよ」
そう言って目黒くんはズボンのポケットから何やらごそごそと取り出す。
私の手にあったキーホルダーを奪うと、ズボンのポケットから取り出したそれに器用につける。
「はい、どーぞ」
再び舞い戻ってきたそのかわいいんだかかわいくないんだかわからないゆるキャラのキーホルダー。
その横にはキラリ、と光る鍵。
「この鍵、」
え、と顔を上げると目黒くんはふふん、と得意気な表情を浮かべこちらを見る。
「俺ん家の鍵あげる」
寂しくなったらいつでもおいで、と目黒くんが耳元でわざとらしく囁く。
耳元で囁くのはずるい。
私がそれに弱いことを目黒くんはよく知っている。
「…いらないんだけど」
そう言いながらも私は手のひらでぎゅーとそれを包み込む。
使う場面なんてきっと来ないだろうその鍵だけど、その鍵が渡されたということは少しは目黒くんが私のことを信頼してくれているのかな、なんて思えて嬉しくなった。
「いらないんだったら返して」
目黒くんはそう言うとひょい、と私の手からキーホルダーを奪い取る。
「あ、返してよ!」
「だっていらないんでしょ?」
シャラン、と目黒くんの指先に摘まれ宙に揺れるキーホルダー。
「、いじわる」
「素直に言わないのが悪いでしょ」
なんて言うの?と小さい子に問うような声色でん?と首を傾げて私の顔を見つめる目黒くん。
あぁ私がその顔に弱いの知ってるから、この男は手強い。
「…いらなくないから、返して」
「まぁ今日のところはそれでいっか」
今日は大目に見てあげる、と目黒くんはそう言って、小さなキスを落とす。
「ばか」
「なんとでも言えば?」
余裕そうな顔でそう言う目黒くんに私はもう一度「ばか」と呟いた。
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さーや(プロフ) - なぎぷちょへんざーさん» 聞きました!月が綺麗ですね、の意味をめめが知ってて衝撃だったんですが?!笑 壁に穴開けよ、がもうめめ過ぎて笑いましたw (2020年4月3日 7時) (レス) id: 6178770b80 (このIDを非表示/違反報告)
なぎぷちょへんざー(プロフ) - この小説お気に入りです!素のまんま聞かれました?お便りの内容を聞いた瞬間この小説を思い出しました、笑 (2020年4月2日 22時) (レス) id: 831076a685 (このIDを非表示/違反報告)
さーや(プロフ) - 夢さん» コメありがとうございます!どういうお話の展開にするか悩んでいたのでそう言っていただけで嬉しいです…!ありがとうございます! (2020年3月23日 20時) (レス) id: 6178770b80 (このIDを非表示/違反報告)
さーや(プロフ) - たぴおかさん» アーカイブでひーくんチュロス見ましたがあれはたしかにやばい…!!うどんで盛り上がるスノちゃんたちが可愛すぎました…! (2020年3月23日 20時) (レス) id: 6178770b80 (このIDを非表示/違反報告)
夢(プロフ) - 初めまして。コメント失礼します。今まで色んな作品を拝見してきたのですが、久しぶりにここまで展開が気になり夢中になって最後まで読んじゃいました。とても素敵な作品でした! (2020年3月22日 21時) (レス) id: 97d80eb079 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:さーや | 作成日時:2020年3月9日 17時