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Aside
見慣れぬ翔太の部屋。
ぐるり、と見渡したその部屋は翔太らしくシンプルにまとまったものだった。
少し広めのベッドの中で、2人並ぶ。
いつもなら情事のあと、翔太はベッドで肩を並べることはせず、ベッドから起き上がりタバコを吸うのに今日は事が終わってもベッドから出ることはしなかった。
代わりに私の腕を引き上げると、自分の頭をそこに乗せると、悪戯に小さく笑ったあとで目を閉じた。
目を閉じてすぐに小さな規則正しい寝息が聞こえ始める。
こんな風に私の隣にいて無防備な姿を晒してくれるのは自分の家という安心からなのだろうか。
私が翔太を腕枕する形でベッドに向かい合う。
翔太の規則正しい寝息と私のドクドクと脈打つ音がシン、と静まり返った部屋に反響する。
重めの前髪の隙間から長いまつ毛と整った鼻筋が見える。
「かわいい寝顔、」
鼻筋をすーっと指でなぞるとくすぐったいのか翔太がもぞもぞと動くが、すぐにまた規則正しい寝息が戻ってくる。
翔太の寝顔を見ていたら、心の奥で小さく何かが熱く燃え感覚に気づいた。
この感覚はなんなのだろうか。
ときめきとも違う。
愛情とも違う。
もちろん恋とも違う。
でもその燃え始めた何かが、少しずつ、確実にその拡がりを見せ始めていた。
私はそれにわざと気づかぬふりをして、目を閉じる。
翔太の小さな寝息に合わせるように呼吸をする。
自分の呼吸と翔太の呼吸。
ふたつが混ざり合った瞬間、なんとも言えぬ安らぎを覚えた。
今日はよく眠れそう、
そんなことを思いながら私は深い眠りへとついた。
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さーや(プロフ) - strawberrykiwiさん» 読んでいただきありがとうございました！舘様はほんと不憫な役回りになってしまいました…クズの中にも救いがあればいいな、と書いたお話なので感想いただけてとても嬉しいです。 (2020年5月13日 13時) (
レス) id: 6178770b80 (このIDを非表示/違反報告)
strawberrykiwi(プロフ) - 切ないだけでは言い切れないお話でした。何と表現したらいいか。涼太君には悪いけど、2人には良かったね、と頭を撫でたい気持ちになりました。丁寧に綴られたお話をありがとうございました。 (2020年5月13日 5時) (レス) id: 6d6dcef09a (このIDを非表示/違反報告)
さーや(プロフ) - ほちさん» 読んでいただきありがとうございます！クズなしょぴに少しでも救いを…と思いながら書きました。笑 また機会があったら読んでくださいね。 (2020年3月12日 10時) (レス) id: 6178770b80 (このIDを非表示/違反報告)
ほち - 本当に良かったです！切なすぎて泣いてしまったくらいです。素敵なお話ありがとうございました！次回も楽しみにしてます！！ (2020年3月12日 1時) (レス) id: e418232ef2 (このIDを非表示/違反報告)
さーや(プロフ) - 野良(のら)さん» 私の書くしょぴ、いつもどことなくクズ感溢れてるけど大丈夫です・・・？笑 でも好きだって言ってもらえてうれしいです！またどんどんお話書くのでもしよければ読んでくださいね〜！ (2020年3月9日 13時) (レス) id: 4528227f28 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：さーや
| 作成日時：2020年2月23日 22時
