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「なに？」
あくまで自然に、普通に。
そう意識をしながら放った言葉は、喉に絡んで上手く出てくれない。
なんとなく涼太の顔を見れなくて、その首元に視線を下げると、涼太の少し太い首筋にドキリ、と鼓動が脈を打つ。
「2年前、俺のこと好きって言ってくれたでしょ」
涼太の低くて優しい声が胸をそっと撫で上げる。
それだけで今に涼太に聞こえてしまうのではないのかと思うほど、鼓動が大きくなっていく。
「あのとき、俺、自分のことで精一杯で、Aの気持ちすごい嬉しかったけど、それを受け止めることが出来るほどの余裕がなかったんだ」
室温に煽られた氷がグラスの中で、カラン、と音を立てる。
周囲はザワザワとしているはずなのに、その音は一切耳には届かなくて、涼太の声と、自分のやけにうるさい鼓動だけが身体中に響き渡る。
「2年経ったけど、まだ俺に少しは可能性って残ってるかな？」
その言葉に思わず顔を上げれば、涼太が私に向けていた視線と視線が絡まり合う。
「もう無理かな、」少し自信なさげに眉を下げて悲しそうに笑う涼太にまたひとつ胸の奥で小さな鼓動が音を上げた。
嬉しくて、嬉しくて、待ちわびていた言葉のはずなのに、その思いが喉の奥につっかえてなかなか出てこない。
「涼太、」
私はまだ涼太のこと好きだよ、そう伝えようとしたその瞬間だった。
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さーや(プロフ) - strawberrykiwiさん» 読んでいただきありがとうございました！舘様はほんと不憫な役回りになってしまいました…クズの中にも救いがあればいいな、と書いたお話なので感想いただけてとても嬉しいです。 (2020年5月13日 13時) (
レス) id: 6178770b80 (このIDを非表示/違反報告)
strawberrykiwi(プロフ) - 切ないだけでは言い切れないお話でした。何と表現したらいいか。涼太君には悪いけど、2人には良かったね、と頭を撫でたい気持ちになりました。丁寧に綴られたお話をありがとうございました。 (2020年5月13日 5時) (レス) id: 6d6dcef09a (このIDを非表示/違反報告)
さーや(プロフ) - ほちさん» 読んでいただきありがとうございます！クズなしょぴに少しでも救いを…と思いながら書きました。笑 また機会があったら読んでくださいね。 (2020年3月12日 10時) (レス) id: 6178770b80 (このIDを非表示/違反報告)
ほち - 本当に良かったです！切なすぎて泣いてしまったくらいです。素敵なお話ありがとうございました！次回も楽しみにしてます！！ (2020年3月12日 1時) (レス) id: e418232ef2 (このIDを非表示/違反報告)
さーや(プロフ) - 野良(のら)さん» 私の書くしょぴ、いつもどことなくクズ感溢れてるけど大丈夫です・・・？笑 でも好きだって言ってもらえてうれしいです！またどんどんお話書くのでもしよければ読んでくださいね〜！ (2020年3月9日 13時) (レス) id: 4528227f28 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：さーや
| 作成日時：2020年2月23日 22時
