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「どれにすんの」
「これとこれで悩んでる」
悩んでいる２つを指で指し示すと、私はどちらにしようかとまた頭を捻る。
「両方買えばいいじゃん」
目黒くんはそう言うと、冷蔵庫から先ほど私が悩んでいると言った２つのお酒を手に取り、自分のカゴの中へと放り込む。
え、と目黒くんのほうを見ると「どーせ同じとこ帰るんだから、一緒に会計しよ」とポツリ。
同じところに帰るって、たしかに同じアパートの隣の部屋だけれど、これ何も知らない人が聞いたら一緒に住んでるみたいじゃない？なんか勘違いされるやつじゃない？なんて意味もなくパニくる。
一人で頭の中をぐるぐると思いを巡らせている私を見て目黒くんはプッ、と吹き出した。
「なに」
「いやなんでも」
「笑った」
「笑ってない」
「うそ」
「ほんと」
どうでもいい会話をしながら、いつの間にか私の手にあった空のカゴは目黒くんに奪われ、「行くよ」とレジへと導かれる。
レジの前に立ち、財布をカバンから取り出すと「いいよ、払わなくて」とサッと会計を済まされてしまった。
さすがに年下の男の子にお金を出させるのは気が引ける、と目黒くんのコートのポケットに1000円札を突っ込む。
「いらないんだけど、」
「やだ、払ってもらう義理ない」
「寂しいこと言わないでよ、お隣さんじゃん」
目黒くんはそう言って少し寂しそうに笑った。
不覚にもその表情に胸の奥底がズキン、と疼く。
軽快な音楽に背中を押され、2人でコンビニを出る。
コンビニからアパートまでは歩いて5分。
その道すがら2人であぁでもないこうでもないとどうでもいい話をしながら帰路を辿る。
アパートに着くと目黒くんは「ん」とコンビニの袋を差し出した。
「あんま飲みすぎんなよ」
後ろ手にひらり、と手を振り、目黒くんは隣のドアの中へと吸い込まれていった。
私も後に続くように自分の部屋へと入る。
コートを脱ぎ、部屋着に着替えて、さて飲むか、とコンビニの袋からお酒を取り出す。
「ん？」
袋の中にはお酒以外に二日酔い防止の栄養ドリンクと駄菓子が入っていた。
目黒くんいつの間にこんなのカゴに入れたんだ。
なんだかんだ言いながらこうやって気にかけてくれる目黒くんの優しさに自然と顔が綻ぶ。
本人にありがとうなんて直接は言わないけれど。
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さーや(プロフ) - mikantoamechanさん» こちらこそ読んでいただきありがとうございます！付き合ってからのお話書きたいですね〜付き合ってからも振り回したいし振り回されたい！笑 (2020年3月5日 10時) (
レス) id: 6178770b80 (このIDを非表示/違反報告)
さーや(プロフ) - xxpanxxさん» ありがとうございますー！イベント毎のお話いいですね、書きたい！ (2020年3月5日 10時) (レス) id: 6178770b80 (このIDを非表示/違反報告)
さーや(プロフ) - くりさん» いつも書き方迷ってしまうのでそう言っていただけて嬉しいです。続きますかね？のんびり書きましょうかね。 (2020年3月5日 10時) (レス) id: 6178770b80 (このIDを非表示/違反報告)
mikantoamechan(プロフ) - めっちゃ面白かったです！素敵な物語本当ありがとうございました！更新がいつも楽しみでした！非常に厚かましいですが、付き合ってからの続編（できれば長編）を希望します！！ (2020年3月5日 3時) (レス) id: a1d9c0f6b4 (このIDを非表示/違反報告)
xxpanxx(プロフ) - 凄いおもしろくてきゅんとしてました！イベント毎の続きのお話あれば嬉しいです！ (2020年3月5日 2時) (レス) id: d7347442ff (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：さーや
| 作成日時：2020年2月18日 15時
