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「あのねぇ、」
さっきまで髪を撫でまわしていた手が肩へと滑り落ち、ギュッと力を込められる。
目黒くんのほうを見上げれば、何か言いたげな表情でこちらに視線を落としていた。
「男なんてほんと理性なかったら誰でもいいんだからね？Aさん、甘く見過ぎだよ」
ギュッと掴まれた肩。
心なしか目黒くんの指先が震えている気がした。
「・・・っわかった、これから気を付けるから」
自分は襲われないという謎の自信はあるものの、ここまで言われるとそう答えざるを得ない。
目の前の怖い顔をした目黒くんの表情を見てしまったら尚更、それ以上に反論することは出来ない。
「ねぇ、目黒くん怖い顔してる」
眉間に寄ったシワに手を伸ばす。その指はすぐに目黒くんに掴まれてしまった。
「誰のせいだと思ってんの、」
「ごめんって」
掴まれた指先に力が伝わってくる。冷たく冷えた指先に目黒くんの少し高めの体温がじんわりと伝わってくる。
目黒くんの顔を見れば、先ほどまでの怖い表情からいつもの表情へと戻っていた。
「じゃぁ罰として、家まで手つないで」
そう言って目黒くんは、ギュッと手を握りしめ直す。
私の手より随分と大きくてゴツゴツした手がなんだか妙に鼓動を早くさせる。
これは罰というよりはどちらかというとご褒美みたいな感じじゃない？
別に目黒くんに恋愛感情を抱いているわけじゃないけれど、それでも今をときめくアイドルと手をつなぐ、このシュチュエーションって胸キュンものじゃない？なんて私の中の乙女が浮足立つ。
年下相手にだいぶ浮かれてるな、私。
でもそれもなんだかんだと楽しいからいいか。
ふふっ、と笑いが小さく零れると目黒くんが「なんで笑ってんの」と不服そうな声をあげる。
「別に」
「一人で笑ってんのキモイよ」
「キモイって失礼すぎない？」
あはは、と2人で声をあげ笑いながらアパートへの道を進む。
繋がれた手はそのまま。
2人の手の間に生まれた温もりがなんだか急に愛おしくなる。
あぁ人と手をつなぐってこんなに幸せなことだったんだな、と冬の寒空の下でその温もりに思いを寄せながら目黒くんにバレないように小さくまたひとつ笑った。
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さーや(プロフ) - mikantoamechanさん» こちらこそ読んでいただきありがとうございます！付き合ってからのお話書きたいですね〜付き合ってからも振り回したいし振り回されたい！笑 (2020年3月5日 10時) (
レス) id: 6178770b80 (このIDを非表示/違反報告)
さーや(プロフ) - xxpanxxさん» ありがとうございますー！イベント毎のお話いいですね、書きたい！ (2020年3月5日 10時) (レス) id: 6178770b80 (このIDを非表示/違反報告)
さーや(プロフ) - くりさん» いつも書き方迷ってしまうのでそう言っていただけて嬉しいです。続きますかね？のんびり書きましょうかね。 (2020年3月5日 10時) (レス) id: 6178770b80 (このIDを非表示/違反報告)
mikantoamechan(プロフ) - めっちゃ面白かったです！素敵な物語本当ありがとうございました！更新がいつも楽しみでした！非常に厚かましいですが、付き合ってからの続編（できれば長編）を希望します！！ (2020年3月5日 3時) (レス) id: a1d9c0f6b4 (このIDを非表示/違反報告)
xxpanxx(プロフ) - 凄いおもしろくてきゅんとしてました！イベント毎の続きのお話あれば嬉しいです！ (2020年3月5日 2時) (レス) id: d7347442ff (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：さーや
| 作成日時：2020年2月18日 15時
