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パスタを(なぜか)一緒に私の部屋で食べると、目黒くんはソファに座ってくつろぎだす。
いやもう用事も済んだのなら隣なんだし、自分の部屋に帰りなさいよ、と思うのだけれど、なかなか強く言えないのは、目黒くんがそこにいることがなんだか安心するからだろうか。
「ねぇこの前のリップつけないの？」
なんとなくソファに座るのが気恥ずかしくて床に座っていた私の横に目黒くんが滑り降りてきた。
急に寄せられた顔にまた小さく胸が疼く。
「つけない。タッチアップしてもらっただけだし」
本当は買ったけれど、あの日以来なんとなくあのリップを見るたび、あのときの目黒くんの声や耳にかかった息やあのときの空気すべてが蘇ってどうしようもなくなるので封印をしたという事実は内緒にしておく。
「えー、あれ似合ってたのに」
買えばいいじゃん、どこのやつ？とスマホを出して調べようとする目黒くんに「忘れた」と適当な嘘をつく。
「嘘つくの下手だね、Aさん」
目黒くんにはすべてお見通しのようだ。
私のほうが年上なのに、気が付けば年下の目黒くんの掌で転がされている気がする。
「・・・ほんとは買った」
恥ずかしくて小さい声でそう言うのがやっとだった。
「買ってんじゃん。なんで嘘ついたの？」
んー？と顔を覗き込んでくる目黒くんを手で必死に阻止すると、簡単にその手を剥がされてしまった。
「教えて」
真っ直ぐに見つめる目黒くんの瞳に私の姿が映るのが見える。
今の私はどんな風に目黒くんに見えているのだろうか。
「目黒くんのこと、思い出すから、」
恥ずかしくなって使えない。
振り絞って言った言葉は自分でもひどく不格好だと苦笑いをしたくなるものだった。
言葉にしたら尚のこと恥ずかしくなり、目を反らす。
目黒くんはそっと私の頭に手を置くと、小さく力をこめる。
「・・・なにそれ、めっちゃかわいい」
そう呟いた目黒くんの姿を横目でチラリ、と盗み見ると、耳まで真っ赤になっている。
その瞬間、胸の鼓動がまたひとつドキン、と音を立てた。
近い距離にいる目黒くんにこの早くなる鼓動が伝わらないように、と必死に祈った。
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さーや(プロフ) - mikantoamechanさん» こちらこそ読んでいただきありがとうございます！付き合ってからのお話書きたいですね〜付き合ってからも振り回したいし振り回されたい！笑 (2020年3月5日 10時) (
レス) id: 6178770b80 (このIDを非表示/違反報告)
さーや(プロフ) - xxpanxxさん» ありがとうございますー！イベント毎のお話いいですね、書きたい！ (2020年3月5日 10時) (レス) id: 6178770b80 (このIDを非表示/違反報告)
さーや(プロフ) - くりさん» いつも書き方迷ってしまうのでそう言っていただけて嬉しいです。続きますかね？のんびり書きましょうかね。 (2020年3月5日 10時) (レス) id: 6178770b80 (このIDを非表示/違反報告)
mikantoamechan(プロフ) - めっちゃ面白かったです！素敵な物語本当ありがとうございました！更新がいつも楽しみでした！非常に厚かましいですが、付き合ってからの続編（できれば長編）を希望します！！ (2020年3月5日 3時) (レス) id: a1d9c0f6b4 (このIDを非表示/違反報告)
xxpanxx(プロフ) - 凄いおもしろくてきゅんとしてました！イベント毎の続きのお話あれば嬉しいです！ (2020年3月5日 2時) (レス) id: d7347442ff (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：さーや
| 作成日時：2020年2月18日 15時
