隣人にご注意を。

呼び方 ページ24

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なんだかんだと言いながらも目黒くんのことが気になる今日この頃。
仕事の休憩中、無駄に目黒くんのことを調べたりしてしまうのを本当にどうにかしたい。

パソコンの画面に表示された目黒くんの写真は、やっぱり目黒くんだけど目黒くんではない誰かな気がして不思議な気分になる。
なんだか私は見てはいけない裏側を見てしまっているのでは、なんて気持ちにもなってしまう。こんなことなら目黒くんがジャニーズだと知ることもなく、ただの関わりの多い隣人で留まっていたかったなんてもう戻りはしない時間に思いを馳せたりして。


「あ、これ、めめじゃん」

後ろから突然声を掛けられビクッと体を震わせると声の主が笑い声をあげた。
後ろに目をやれば、そこには同期の佐藤さんの姿。
彼女は無類のイケメン好きで、芸能人のみならず仕事関係でもかっこいい人がいればよく話題にしている子だった。


「めめ？」

「そ、目黒蓮くん。ファンとかメンバーからめめって呼ばれてるんだよ〜」

ほうほうそうなのか、とパソコンの画面の目黒くんに視線を戻す。
めめってなんか猫の名前みたいでかわいいなぁ。たしかにちょっと黒猫っぽいな、なんて思う。


「Aさん、めめ好きなの？」

私をイケメン好きの同志だと思ったのか、佐藤さんは私の肩に手を置くと「SnowMan最近人気だもんねぇ〜」と続ける。


「好きっていうわけじゃないんだけど、朝テレビで見てちょっと気になって」

さすがにお隣さんが目黒くんだなんて言えるわけもなく、そう言って誤魔化す。
こんな身近に知ってる人がいるって相当有名人なんじゃ・・・？




「SnowMan最近デビューしたから、今色々出てるもんね」

「そうなんだ」

「あ、ちなみに私のイチオシは、阿部ちゃん！」

9人がずらり、と並んだ画像を指さし、「これが私の推し！」と教えてくれた。
それからしばらく佐藤さんからSnowManがいかに素晴らしいグループなのか布教を受けた。
なるほど、インテリ系男子もいれば、美容系、筋肉、お笑い系・・・いろんなジャンルのメンバーがいるグループらしい。



「推し決まったら教えて〜」

そう言って佐藤さんは嵐のように去って行った。
なんかどっと疲れた・・・佐藤さんの去った後、パソコンに視線を戻せば、一番に目につくのは目黒くんだった。

「めめ、ねぇ・・・」
なかなか呼び慣れないその呼び方が頭の中をぐるぐると巡り、その後も仕事の合間、ふとした瞬間に目黒くんの顔と一緒に浮かんでは消えた。



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