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「は？キス？」
なんの話？とAさんが言う。
「さっきしてたのバッチリあそこから見えてたよ」
俺はそう言ってさきほどまで自分がいたところ指さす。Aさんもそれを追うように視線を動かした。
「足元ふらついて支えてもらっただけだけど」
思いのほか顔が近くてびっくりはしちゃったけどねー、とあははと笑うAさん。
「はぁぁ？まじかよ」
そんなAさんの姿を見て、さっき見た場面が自分の勘違いだということを知る。
うっわ、すっげえ恥ずかしい。
あぁもう恥ずかしいと髪をぐしゃぐしゃに乱しているとAさんが「目黒くんどうしたの？急に」と驚いた表情を浮かべる。
『気になっている人に恋人がいて、キスしてるところを見てしまったと思って動揺してます』なんて、そんなこと言えるわけがない。
「なんでもない」
「なんでもなくないでしょ」
Aさんが俺のぐちゃぐちゃになった髪に手を伸ばす。
微かに香るアルコールの匂いが、飲んでもいないのに妙に酔った気分にさせる。
「子ども扱いすんな」
頭に置かれた手をぺいっ、と引きはがす。
所詮この人にとって俺は子どもで、恋愛対象になんかなりもしないのだろう。
そう思ったら悔しかった。
「子ども扱いなんてしてないのに、」
宙ぶらりんになった自分の右手を眺めながら、Aさんはしょんぼりとした顔を浮かべる。
「目黒くんのこと、いいなぁって思ってるよ？」
大真面目な顔してそんなこと言うからこの人はずるい。
その「いいなぁ」はどういう意味なのか今は敢えて聞かないけれど。
「ふーん、そう」
嬉しさが込み上げてくるのを必死に堪えて、素っ気ない素振りで自分の部屋のドアを開ける。
「じゃぁおやすみ、Aさん」
ひらひら、と手を揺らすとパタリ、とドアを閉めた。
あぁもう鼓動がうるさい。
これも全部、さっき嗅いだAさんのアルコールの匂いのせいだ。絶対そうだ。
そんなんで酔うはずがないのは分かっているけれど、この胸の鼓動が早くなっているのは、そのせいだ、と必死に自分に言い聞かせた。
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さーや(プロフ) - mikantoamechanさん» こちらこそ読んでいただきありがとうございます！付き合ってからのお話書きたいですね〜付き合ってからも振り回したいし振り回されたい！笑 (2020年3月5日 10時) (
レス) id: 6178770b80 (このIDを非表示/違反報告)
さーや(プロフ) - xxpanxxさん» ありがとうございますー！イベント毎のお話いいですね、書きたい！ (2020年3月5日 10時) (レス) id: 6178770b80 (このIDを非表示/違反報告)
さーや(プロフ) - くりさん» いつも書き方迷ってしまうのでそう言っていただけて嬉しいです。続きますかね？のんびり書きましょうかね。 (2020年3月5日 10時) (レス) id: 6178770b80 (このIDを非表示/違反報告)
mikantoamechan(プロフ) - めっちゃ面白かったです！素敵な物語本当ありがとうございました！更新がいつも楽しみでした！非常に厚かましいですが、付き合ってからの続編（できれば長編）を希望します！！ (2020年3月5日 3時) (レス) id: a1d9c0f6b4 (このIDを非表示/違反報告)
xxpanxx(プロフ) - 凄いおもしろくてきゅんとしてました！イベント毎の続きのお話あれば嬉しいです！ (2020年3月5日 2時) (レス) id: d7347442ff (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：さーや
| 作成日時：2020年2月18日 15時
