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「っ、いい加減気づけよ」
目黒くんはそう言うと、私の目をじっと真っ直ぐに見つめてくる。
次の瞬間、また唇が重なった。
「俺、Aさんのこと好きなんだけど。いつになったら意識してくれんの?」
唇が離れたかと思うと、目黒くんが小さく少し怒った声でそう言った。
え、ちょっと、それって?
理解が一切追い付かない。
ただでさえアルコールのせいで頭の回転鈍ってるのに、それ以上にいろんな衝撃が重なりすぎて頭が上手く働かない。
そんな私を尻目に目黒くんは、「Aさんのばーか」と小さく笑うと、部屋の中へと姿を消してしまった。
どういうことだ?
未だに状況の理解できない私はへなへなとその場にしゃがみこむ。
足元でビールがしゅわしゅわ、と弱々しくその存在に気づいて、と音を上げる。
「目黒くんが、私のことを?好き?いやいやなんの冗談?冗談でしょ、」
揶揄われてるんだ、そう必死に思い込もうとしているのに、唇に残った感触がそれを阻む。
冗談でキスする?でも最近の若い子はわかんないし、
考えれば考えるほど糸が絡まり複雑になり解けなくなっていく。
ただ妙にリアルに唇に残った感触と温もりだけが、それが現実だという事実を真っ直ぐに突き立ててくる。
回らない頭の中でただそれを必死に受け止めるのだけが、精一杯だった。
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さーや(プロフ) - mikantoamechanさん» こちらこそ読んでいただきありがとうございます!付き合ってからのお話書きたいですね〜付き合ってからも振り回したいし振り回されたい!笑 (2020年3月5日 10時) (レス) id: 6178770b80 (このIDを非表示/違反報告)
さーや(プロフ) - xxpanxxさん» ありがとうございますー!イベント毎のお話いいですね、書きたい! (2020年3月5日 10時) (レス) id: 6178770b80 (このIDを非表示/違反報告)
さーや(プロフ) - くりさん» いつも書き方迷ってしまうのでそう言っていただけて嬉しいです。続きますかね?のんびり書きましょうかね。 (2020年3月5日 10時) (レス) id: 6178770b80 (このIDを非表示/違反報告)
mikantoamechan(プロフ) - めっちゃ面白かったです!素敵な物語本当ありがとうございました!更新がいつも楽しみでした!非常に厚かましいですが、付き合ってからの続編(できれば長編)を希望します!! (2020年3月5日 3時) (レス) id: a1d9c0f6b4 (このIDを非表示/違反報告)
xxpanxx(プロフ) - 凄いおもしろくてきゅんとしてました!イベント毎の続きのお話あれば嬉しいです! (2020年3月5日 2時) (レス) id: d7347442ff (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:さーや | 作成日時:2020年2月18日 15時