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結局、そのあと余裕をもって起きたはずの時間はあっという間に過ぎ去って、あと10分で着くという電話に慌てることになった。
「翔太のばか」
「Aだって満更でもなかったじゃん」
そんなことを言えば、横腹にAからのパンチが飛んでくる。
「いってぇー暴力やめろよ!」
「誰のせいよ!」
あーだこーだ言いながら準備を進めているとインターホンが鳴った。
お迎えが来たようだ。
「んじゃ行ってくる」
「うん、気をつけて。いってらっしゃい」
チュッ、と軽く唇を重ね合わせる。唇が離れたあと、どちらかともなく笑い声をあげる。
「今日どーすんの?」
「もうちょっとしたら帰るよ」
「休みならそのままいればいいのに」
帰る、という言葉に少し寂しさを覚える。
このままここにいて、また「おかえり」と出迎えてくれたらなんていいか、と思う。
「今日友達と予定作っちゃって」
申し訳なさそうに笑うAにもう一度口づけをした。
「なぁ、結婚しよっか」
思わず溢れた言葉に自分でもびっくりした。
でもそれは冗談でも思いつきでもなく、ずっと考えていたことだ。
ただ言うならもっとちゃんと準備をして言おうとは思っていたから、これは想定外ではあるけれど。
「え」
俺と同じく驚いた表情をしたAが短くそう発したあと、何も言わずに固まっている。
そりゃそうだ、今までそんなこと一度も言ったことがないのだから。
ポケットの中でスマホが震える。
きっと下で待つ照からの早くしろの電話だろう。
「じゃあ行ってくるわ」
後ろ手にAにひらり、と手を振ると俺はパタリとドアを閉めた。
よし、今日も仕事を頑張るか。
車で待つ照のもとへ足早に歩みを進めた。
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さーや(プロフ) - み い .。*さん» えぇぇありがとうございます!めめくんって呼びたくないですか?で、ここぞというときに名前で呼んで困らせたい。笑 (2020年2月21日 12時) (レス) id: 4528227f28 (このIDを非表示/違反報告)
み い .。* - このお話好きすぎて2時間も読んじゃいました(笑)"めめくん"呼び、、、最高ですね、、、() (2020年2月20日 16時) (レス) id: 5421e01398 (このIDを非表示/違反報告)
さーや(プロフ) - AisnAikさん» コメありがとうございます!翔太くん落ちですねーいけるか、書けるか?!頑張ってみます!笑 (2020年2月7日 20時) (レス) id: 6178770b80 (このIDを非表示/違反報告)
AisnAik(プロフ) - すごくおもしろいです!めめもむくわれてほしいですが翔太くん落ちがいいです! (2020年2月7日 15時) (レス) id: 01c8673035 (このIDを非表示/違反報告)
さーや(プロフ) - なつみさん» コメありがとうございます!めめ幸せにしたいですよねー!笑 本当どうするか決めずにただ書き続けてる状態ですが、これからもお付き合いいただけると嬉しいです〜! (2020年2月6日 22時) (レス) id: 6178770b80 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:さーや | 作成日時:2020年2月5日 12時