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「佐久間、好きな子なんていたんだっけ?」
「いや、いなかった」
「だよな」
俺と佐久間はどちらかと言えば、メンバーの中でも陰キャと呼ばれる部類に当てはまる。
だから自然と仲良くなって、互いのことはなんでも話すような仲だった。
でも、そんな仲でもこれまで佐久間から好きな子の話はおろか、恋愛に関する話が出てくることはなかった。
だから急に彼女が出来たって言われても、すぐにその言葉の意味を理解するのは無理ってものだ。
「で、何がどうなって彼女?」
「んー、あのねー、」
佐久間はそう言うとテーブルの真ん中にあったケータリングに手を伸ばしながら、昨日あったという幼馴染とのやり取りを俺に話してくれた。
「なるほど。で、佐久間もその幼馴染のAちゃんのことがずっと好きだったんだ」
佐久間は常日頃「幼馴染と恋人関係になるって超エモくない?!」なんて言っていた。
その言動と照らし合わせれば、佐久間が幼馴染と恋人関係になるっていうのもなんとなく理解は出来た。
幼馴染同士ってことは、どこからかお互いに恋愛感情を抱いていたのかな、なんて考えながら、お菓子を頬張る佐久間のほうを見た。
「んー、いや、向こうは俺のことずっと好きだったっぽいんだけど。俺は正直、そういう風に思ったことなかったの」
「はぁ?!」
いやいや好きとかそういうの思ったことないんだったら、付き合うとかにはならなくないか?
意味わかんないんだけど、って佐久間のほうを見れば「阿部ちゃん眉間にシワ寄ってるよ」って眉間をピン、と人差し指で弾かれた。
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さーや(プロフ) - すずさん» 最後まで読んでいただきありがとうございました!泣いただなんて嬉しすぎます…! (2020年6月1日 16時) (レス) id: 4528227f28 (このIDを非表示/違反報告)
すず(プロフ) - 泣いちゃいました;;とても素敵なお話でした;; (2020年6月1日 13時) (レス) id: f91208f58d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:さーや | 作成日時:2020年5月12日 16時