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Ryohei side




「阿部ちゃーーーーん!」

「阿部くん、」




あれから数日後。
久しぶりに丸一日オフをもらえて、どう過ごそうかと考えていたら、佐久間から会いたいなんて連絡が来て。





待ち合わせ場所でぶんぶんって大きく手を振る佐久間の横で、Aちゃんが申し訳なさそうに小さく笑う。


「無事に仲直りできたみたいだね」

「あの、本当その節はご迷惑をおかけして、申し訳ありませんでしたぁぁああ!」

「ほんとだよ、」



わざとらしく謝る佐久間の頭を小さく小突く。

「痛ってぇ」なんて大げさに頭をさする佐久間を見て、俺とAちゃんは顔を見合わせて笑った。
そんな俺たちの姿を見て佐久間もいつも通りのへにゃへにゃな笑顔で笑い声を重ねる。





「今日はね、阿部ちゃんを連れていきたいとこがあるんだよね」

「何?どこ?」

「まぁまぁお楽しみに」



そう言うと佐久間はAちゃんの手を掴んでずんずんと歩みを進めていく。

俺はそんな2人の背中を追いかける。








「・・・やっぱり、Aちゃんには佐久間がお似合いだな、」


何やらこそこそと耳打ちしては、笑い合う2人が目の前で揺れる。

やっぱり、佐久間の隣はAちゃんで。
Aちゃんの隣は佐久間じゃなきゃ、しっくりこないな。





いつか、俺もそんな風に誰かに思われる人に出会えたらいいな。
それがいつになるかは分からないけど、



まだ今は、俺の中に根を張るAちゃんへの小さな恋心を少しだけ愛でさせて。

それくらいは、許してくれよ、って誰に向けて言ってるのか分かんない言葉を小さく吐き出す。

そんな言葉はすぐに街の雑踏へと飲み込まれて、跡形もなく消えていった。








「阿部ちゃーん?遅いんだけどー?」

気が付けば随分遠くなった佐久間の姿。
佐久間は「早くしないとおいてくよー!」なんて大きく笑う。






「ごめーん、今、行くー」


足先に小さく力を込めると、俺は勢いよくアスファルトを蹴った。

その先にある、大切な人たちの恋に向かうために。







【 同じ恋を見ていたかった 】

Fin.

epilogue→←46



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設定タグ:SnowMan , 佐久間大介 , 阿部亮平   
作品ジャンル:タレント
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さーや(プロフ) - すずさん» 最後まで読んでいただきありがとうございました!泣いただなんて嬉しすぎます…! (2020年6月1日 16時) (レス) id: 4528227f28 (このIDを非表示/違反報告)
すず(プロフ) - 泣いちゃいました;;とても素敵なお話でした;; (2020年6月1日 13時) (レス) id: f91208f58d (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:さーや | 作成日時:2020年5月12日 16時

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