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「・・・阿部、くんっ、」
大介の冷たい声。冷たい視線。
そのどれもが容赦なく私の体をブスブスと突き刺していく。
縋るように阿部くんに電話をかける私は、多分どこまでも弱虫でどこまでもズルい。
『Aちゃん？どうした？』
受話器越しに聞こえる阿部くんの優しい声に感情が溢れ出してくる。
「大介っ、別れようって、」
『・・・え、は？！』
「阿部くんと幸せになれって、」
『あいつ、何言ってんの、』
一方的に告げられた別れ。
それは予想もできないほどに苦しくて、私を驚くほどに簡単に奈落の底へと突き落としていく。
私は、大介のことが好きなのに。
なのに、もう大介の気持ちは私には向ていなくて。
その事実が、じわりじわりと、でも確実に私の首を絞めつけていく。
あのことを大介に素直に話していれば、今とは違う状況になっていたのだろうか。
それとも結局、大介を苦しめて、辿りつく先は同じところなのだろうか。
そんなのわかんないけど。
わかんないけど、今はただ、離れていってしまった大介の存在が、もう元には戻ることの出来ない現実が、私の体を蝕んでいく。
『・・・Aちゃん、ごめん、』
阿部くんは何も悪くないのに。
むしろ私のために、私のワガママを聞いてくれていただけなのに。
なのに、なんで謝るの？
『ごめん』ってその言葉が、今は堪らなく苦しくて、苦しくて仕方なかった。
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さーや(プロフ) - すずさん» 最後まで読んでいただきありがとうございました！泣いただなんて嬉しすぎます…！ (2020年6月1日 16時) (
レス) id: 4528227f28 (このIDを非表示/違反報告)
すず(プロフ) - 泣いちゃいました；；とても素敵なお話でした；； (2020年6月1日 13時) (レス) id: f91208f58d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：さーや
| 作成日時：2020年5月12日 16時
