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Ryohei side
「なんか今日、誰かにずっと見られてる気がして」
Aちゃんからそんな連絡が来たのは仕事の休憩中だった。
じゃあ仕事終わりにそっちに行くよ、ってそう言えばAちゃんは少しだけ安心したような反応をしてみせた。
多分、Aちゃんはこういう得体の知れない恐怖に毎日のようにつけまわされているのだろう。
でもそれを必死で抱え込んで耐えている。
今日俺にこうやって連絡をしてきたのだって、耐えに耐えた末のものだと思ったら、胸が苦しくなった。
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仕事終わり、佐久間から珍しく「ごはん行かない？」なんて飯の誘いがあって、心苦しかったけど断った。
ぶーたれる佐久間が「今度奢ってよね」なんて言うもんだから、なんかすごく可愛く見えて思わず佐久間の頭に手を伸ばした。
俺にとって佐久間はとても大切な存在だ。
それと同じくらい今はAちゃんのことを守りたいって気持ちがあって。
その気持ちの正体がなんなのかっていうのに気付いてはいたけど、知らないふりをして、今日も俺は『恋人である佐久間の親友』を演じるのだった。
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「大丈夫？」
改札をくぐれば少しだけ不安そうなAちゃんの姿がすぐに目に留まった。
「阿部くんの顔見たら、なんか安心した」
「それはお役に立てたようで良かった」
さっきまで浮かべていた不安そうな表情を崩してAちゃんは、えへへって小さく笑う。
その笑顔に胸の奥のほうが小さく疼く。
「あ、阿部くん、ごはん食べた？」
「ううん、まだだけど」
「じゃあ、来てもらったお礼にごはんでも作るよ」
「まじで？」
そんな会話をしながら近くのスーパーに2人で向かう。
カートを押して、あれを買おうとかこれが欲しいとかそんな話をしていたら、なんか新婚さんみたいだな、なんて浮かれたことを思ったりして。
・・・相手は親友の彼女だよ、わかってんのかよ阿部亮平。
浮かれた自分に釘をさすように佐久間の顔を頭の片隅に思い浮かべる。
変なことは考えちゃダメだ、って言い聞かせながら隣で笑うAちゃんの姿を見て少しだけ胸が苦しくなった。
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さーや(プロフ) - すずさん» 最後まで読んでいただきありがとうございました！泣いただなんて嬉しすぎます…！ (2020年6月1日 16時) (
レス) id: 4528227f28 (このIDを非表示/違反報告)
すず(プロフ) - 泣いちゃいました；；とても素敵なお話でした；； (2020年6月1日 13時) (レス) id: f91208f58d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：さーや
| 作成日時：2020年5月12日 16時
