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「阿部くん、ありがと」
Aちゃんは、俺に撫でられることに特に反応するわけでもなく。でもどこか嬉しそうにえへへ、と笑った。
その笑い方は佐久間によく似ていて、夫婦が長年一緒にいると似てくるっていうのは本当なんだな、って思った。
・・・まぁこの2人は夫婦なわけじゃないけど、でもある意味夫婦より長い時間一緒にいるから。
「どーいたしまして？」
別に大したことしてないけどね、って笑うとAちゃんは「人の話をちゃんと聞いて、受け止めてくれるってそれだけで十分すごいことだよ」と言った。
「大介も話聞いてくれるけど、でも最終的にはなんかよくわかんないけどアニメの話になってるもん」
「あぁ・・・それはもう佐久間だから仕方ない」
「そっか仕方ないのか」
じゃぁもうそこは受け入れなきゃね、ってそう言うとAちゃんは笑った。
その笑顔はやけに眩しくて、なぜだか分からないけれど頭にくっきりと焼き付いた。
「阿部くんの彼女になる人は、すごい幸せだろうなー」
「そう？」
首をこてん、って傾げればAちゃんも同じように反対側に首を傾げ「そうだよー」ってまた笑う。
「じゃぁ、Aちゃん俺の彼女になってみる？」
じっとAちゃんの目を見つめる。
次の瞬間、パコンって俺の頭に走る痛み。
「こらー！阿部ちゃん、人の彼女になんてこと言ってんの？！？」
別に本気じゃないけど、なんとなくその場の流れというか雰囲気でそんな言葉が口から零れ出た。
それと同時に、飲み物買いに行ってくる！なんて言っていた佐久間が絶妙なタイミングで戻ってきて大慌てでそれの肩を掴んだ。
「ねぇ！阿部ちゃん、今、Aのこと口説いてたでしょ？！」
慌てた様子の佐久間は、ただでさえデカイ声が更にボリューム調整機能がバカになって、びっくりするくらいに大きな声をあげる。
「冗談だって」
「冗談？ほんとに？ほんとにほんと？」
ぐらぐらと前後に揺らされる体。
ぐわんぐわんって揺れる視界の奥でAちゃんがケタケタと笑っているのが見えた。
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さーや(プロフ) - すずさん» 最後まで読んでいただきありがとうございました！泣いただなんて嬉しすぎます…！ (2020年6月1日 16時) (
レス) id: 4528227f28 (このIDを非表示/違反報告)
すず(プロフ) - 泣いちゃいました；；とても素敵なお話でした；； (2020年6月1日 13時) (レス) id: f91208f58d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：さーや
| 作成日時：2020年5月12日 16時
