5 ページ6
「え。」
「これ、あなたのですよね、？」
「…そうですけど、」
その男の人の手に握られていたのは、ちょうど一週間前、あの最悪な金曜日に私が駅前のゴミ箱に捨てたはずの紙袋だった。
あの日、捨てたときと同じようにぐちゃぐちゃになった紙袋が目の前で揺れている。
「大事なものなのかな、と思ったんだけど」
その男の人はそう言うと、もう一度紙袋をぐいっと前に突き出した。
「いらないから捨てたんで。せっかく拾っていただいたのですが、もうそれ必要ないので」
「でも、これ結構なブランド物じゃ、」
「私はいらないので。あなたが適当に捨てるなり売るなり好きにしてくださって構いませんよ」
これ以上関わってもいいことなんてない。
じゃ、とその場を立ち去ろうと振り返った体をまた家路の方向へと向き直したところで思い切り腕を掴まれた。
「あの、！」
「離してもらえません？」
「勝手にどうこうっていうのは、俺の性格上出来そうにないから」
「はぁ？」
「だから、ちょっとだけ話しませんか？」
理由を聞いてそれで納得してからどうするか考えたい、とその男の人は言った。
この人、やばい人だ。
絶対やばい人。
そう思うのに、なぜか次の瞬間には私はこう答えていた。
「聞いて後悔しても知りませんよ？」
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 376人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「SnowMan」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
さーや(プロフ) - 優希さん» すみません💦教えていただきありがとうございます。修正しました。 (2021年10月30日 4時) (
レス) id: 4b2ff4c864 (このIDを非表示/違反報告)
優希(プロフ) - 28ページが原石のときのまま森本くんの名前が出てしまってます💦 (2021年10月29日 21時) (レス) @page28 id: 4434fac4a4 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：さーや
| 作成日時：2021年10月26日 21時
