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「A、あれだけ飲んでよく平気やな、、」
お前絶対女ちゃうわ、なんてベロベロに酔った向井が顔を歪めてる。
向井、そんなお酒強くないくせに私に付き合ってどんどん飲むんだもん。自分のキャパ把握しとけ、バーカ。
「はいはい、女じゃない、女じゃない」
「Aといると楽なんは、女の子ちゃうからなのかなぁ？」
「はいはい、そうそう、その通りです」
「うわ、俺が酔っ払いやからって適当に流すなや〜」
酔っ払いの相手めっちゃ疲れる。しんどい。
絡まれるこっちの身にもなって欲しい。
ちょうど通りかかったタクシーを捕まえると向井を放り込んだ。
住所だけはなんとか言える状態みたいだからそのままお願いした。
向井の乗ったタクシーがネオンの中に消えたのを確認すると、私はゆっくりと歩き出す。
タクシーで帰るのもいいけど、なんだか今日はもう少し夜風に触れていたい気分。
酔い醒ましも兼ねて、ゆっくりと歩く。
一駅分歩いたところで電車に乗って、最寄駅へ。
改札をくぐって、駅前に出る。
目の前に広がる見慣れた景色に安心感を覚えたら、少しだけ醒め始めていた酔いがゆらゆらと身体の奥の方でゆらめいた。
途中コンビニに寄ってなんか飲み物でも買って帰ろう。
少しだけ浮ついた足取り。
街頭に照らされた歩道をゆらゆらと歩く。
「あの、」
ゆらゆらとゆらめく足取りと、ふわふわした頭の中に入り込むひとつの声。
それが私に向けられたものだと気づくのに少し時間がかかった。
「すみません、！」
「…え？」
近づいて来た声と、誰かの気配に後ろを振り返るとそこには男の人が立っていた。
目が合うとその男の人は少しだけびっくりした顔をした。
「なにか？」
「えーっと、」
自分から声かけて来たくせにその男の人からはなかなか次の言葉がやってこない。
謎の沈黙が2人の間に流れる。
いや、なにこの状況。
ナンパ？それともなんか不審者？
どちらにしろ立ち止まったのは失敗だったな、と目の前の男の人に視線を向けながら後悔した。
「…これ、」
目の前にぐい、と差し出されたモノ。
それには見覚えがあった。
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さーや(プロフ) - 優希さん» すみません💦教えていただきありがとうございます。修正しました。 (2021年10月30日 4時) (
レス) id: 4b2ff4c864 (このIDを非表示/違反報告)
優希(プロフ) - 28ページが原石のときのまま森本くんの名前が出てしまってます💦 (2021年10月29日 21時) (レス) @page28 id: 4434fac4a4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：さーや
| 作成日時：2021年10月26日 21時
