☆789☆ ページ5
セレス)まぁ、俺らの国では日常茶飯事ですけどねw
しっかり直った盤上で、対局は続いた。
白と黒の石が綺麗に積模様を作っていく。
そして10局目―――…。
プフ)五目半、王の勝ちです。
眼鏡)(たった10局で……。)
つ…疲れてるからだ……っ!!
でなきゃ、負けるはずない!
それになんか熱っぽいし……寝不足だし…めまいも…。
セレス)…。
貴)…。
セレスも僕も呆れるばかり。
気の弱い負けたことを認めたくない人の最後のあがきと言えばいいのか、なんとも大人としての矜持もなんもない行為にかける言葉が見つからない。
王)8時間やる、薬もな…。
それでベストに戻せ。
連敗の言い訳を聞くほど、気は長くない。
死ぬ気で休め。
そういう王に、セレスは感心した。
「なんだこいつ、良い奴じゃん。 まぁ、言い方は悪いけど、休む時間も薬も与えて、それで人を殺さなければいいんだけどなー。」とか思ってる顔してる。
眼鏡は、よろよろと、自分の部屋と指定された場所に戻っていった。
プフ)計り知れぬ上達の速度、感服いたしました。
まさか将棋の半分以下の時間で攻略するとは。
王)骨を掴んだだけのことだ。
チェス・囲碁・将棋…ルールは違えど一級のうち手にはそのうち筋に独特の呼吸がある。
ゆえに“相手の呼吸を乱す”ことが肝要…!
定石を知ると、相手の呼吸が見えてくる。
そこからは相手が呼吸しにくい手を生み出すだけだ。
そういいながら、王は黒石を握って砂にしてしまった。
セレス)王とは、腕相撲はしたくないな。
王)腕相撲とはなんだ?
貴)えっとね、セレス、腕貸して。
こうやって、手を握り合って、本当は机の上とかでやるんだけど。
同時に力を入れあって、相手の手の甲を机とかにつけようとするのね。
机に手の甲が付いちゃうと負け。
僕とセレスは、手をきゅっと組み合って、動かしながら説明を加える。
王)面白そうだな。
セレス)いや、俺でもさすがに黒石握り粒ほど握力ないから、王がやったら、手が粉々に砕け散るので遠慮しまーす。
貴)僕もちょっと手が使い物にならなくなると、ご飯作れなくなっちゃうから、難しいかなー。
王)そうか…。
セレスが思いついたように言う。
セレス)ユピーなら、何とかなるんじゃねえ?
あいつは、細胞を変えられるんだろ?
なら、腕を今より強固にすることも王と同等にすることもできるんじゃねえの?
それなら対等な勝負にできそうだよな。
ユピー)え。
*
次へどうぞ→
続く (更新停止中) お気に入り登録で更新通知を受け取ろう
←☆788☆
185人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
月花 - 1から全部読ませてもらいました。続きが気になります。更新楽しみに待っているのですが、いつ頃になりそうとかわかりますか? (2019年7月22日 17時) (レス) id: b5f612912a (このIDを非表示/違反報告)
ゆともす(プロフ) - part1から楽しく読ませてもらいました!続きが気になります!更新待ってます(*^^*) (2018年9月25日 5時) (レス) id: 0710793742 (このIDを非表示/違反報告)
せいな(プロフ) - 面白くて早く続きが気になります。早く続きが出て欲しいです。頑張ってください。 (2018年8月23日 1時) (レス) id: 29f05fd235 (このIDを非表示/違反報告)
初音みのりフード - 面白いです!紫音さんの小説、面白いものばかりで、いつも楽しく読ませていただいています! (2018年8月8日 11時) (レス) id: 9104fd672a (このIDを非表示/違反報告)
なっちゃん - とても面白いです! メルエムが可愛いww これからも頑張ってください!! おうえんしてます! (2018年6月8日 16時) (レス) id: 5752022a03 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:紫音 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/shionn/
作成日時:2017年11月12日 23時