扉を開いて ページ31
〜綾side〜
ぼーっと去っていく彼の背中を見つめていた。きらきら輝く金髪が眩しくて、行ってしまうのが悲しくて手を伸ばしたけどその手が彼に届くことは無かった。
入学式に彼を見つけて、恋に落ちた。初恋だった。一目惚れだった。
一年生の時、違うクラスだったAの噂はよく聞いていた。学校一可愛くて、大学生のイケメン彼氏がいるとか、パパ活してるとか、クラブ通いしてるとか、色々。二年生になって同じクラスになって私から話しかけた。意気投合して、仲良くなった。
勿論、友達になれば恋バナをする訳で。Aの口からは一番聞きたくなかった名前が出てきて、私は咄嗟に好きな人は居ないと言った。高嶺の花のAと同じ人を好きだなんて知られるのは恥ずかしすぎる。
でも、好きになってしまったの。抑えようとすればする程溢れて止まらない。
これだけは譲れないの。
〜my side〜
せっかくの祝日なのに雨でどこにも行けない。でも、隣の家ぐらいなら行ける。適当に着替えて家を出た。
インターホーンを押して、ドアから顔を覗かせたのはばにではなかった。
『ありちゃん？』
「今ばに、コンビニ行ってるよ。どした？」
『あそびにきた』
「あがる？俺の家じゃねぇけど」
『あがるー』
ありちゃんの横に座ると、さっと毛布を掛けてくれる。さすがだなと感心する。
『ありがと』
「うん。あのさ、最近あいつから連絡来たりしてない？」
『あいつ？』
「龍」
その名前は聞きたくなかった。その人と犯した色んな罪がフラッシュバックして頭を抑える。
『なんで、？』
「この前学校の近くでも見たから、ごめん。嫌な思い出掘り返して」
『大丈夫。』
ガチャっと扉が開く音がして雨に濡れたばにが私を見て固まった。
「え、？」
『ありちゃんがいいよーって』
「俺がいいよって」
「いや、俺ん家なんだけど」
それから、三人でゲームして、お菓子食べて、話して、憂鬱だった雨の祝日は最高な一日になった。
『ありちゃん、ばいばい』
「うん。本当に気をつけてな。何かあったら直ぐに俺に言ってくれればいつでも行くから。」
『もー、心配しすぎ。じゃーね。』
私は家の扉を開けて中に入った。正直、怖い。あの人にだけはもう会いたくない。もう、あの頃みたいになりたくない。また、吐き気がしてきてトイレに駆け込んだ。
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な - 伏字お願いします (3月30日 22時) (
レス) id: 596a234c08 (このIDを非表示/違反報告)
髑髏(プロフ) - はじめまして、コメント失礼致します。とても好きな作風の作品に出会えてとても嬉しいです！可能であればkyng登場させられないでしょうか？更新楽しみにしています！ (1月15日 0時) (レス) id: cc975a844d (このIDを非表示/違反報告)
葛(プロフ) - 色んな人と絡みがあってとても面白いです！更新頑張ってくださいね。 (1月5日 6時) (レス) @page16 id: 039532f02f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あられ | 作成日時：2023年9月14日 8時
