一口で食べ切って ページ24
『毎日ご飯こんな感じ？』
「一人暮らしだしねー」
『今日、作りに行ってあげよっか？』
「え、まじ？ちょーうれしい」
卵を買って帰った後は特に予定もない。もう一度スーパーを回って料理に必要な材料を買い足した。
「それ持つよ、重いっしょ」
『あ、ありがと』
「今日何作ってくれんの？」
『唐揚げ。食べれる？』
「大好き」
いつもより子供っぽい顔をして笑うろーれん、可愛い。普段の大人びた顔よりもこっちの方が良いのに。
一回、家によって卵をお母さんに渡してから、ろーれんの家に向かった。アパートの二階にある1LDKの部屋だった。
『意外と綺麗』
「意外と？」
『キッチン借りまーす』
冷蔵庫には、お酒と水しか入ってなかった。キッチンに材料を出して、何故か置いてあるゴムの箱をろーれんに投げつける。
「いて。」
『じゃま』
後ろで何か言ってるろーれんは無視して、作り始める。家から料理道具を持ってきたのは正解だった。
私が料理してるのを彼はお酒を飲みながら壁にもたれて眺めてた。出来上がったポテトサラダを彼に一口あげる。
「うまっ！？やばい、店いける」
『そんな？』
「料理うますぎるでしょ」
もっともっとと強請るろーれんに、ご飯まで待ちなさいと宥めて唐揚げを揚げていく。
『熱っ』
「ん！大丈夫？どこ当たった？」
『ほっぺた。赤くなってる？』
上目遣いでそこまで赤くなられるとこっちも困る。ろーれんの赤いほっぺたをぺちっと叩いてフライパンへと視線を移した。
彼は何も言うことなく、元いた場所に戻ってご飯が出来るまで黙ったままだった。
『ゆっくり食べて』
「むり。うますぎ。」
『もー、誰も取らないのに』
フードファイター並の速さで食べていくろーれん。そこまで美味しそうに食べてくれるとつい自分の食べる手を止めてろーれんを見つめてしまう。
「ん？食べねーの？」
『ろーれんが美味しそうに食べてくれるから、見てるだけでお腹いっぱい』
「でも後でお腹空かん？ほら、あーんしてやるから食べな」
ずいっと結構デカめの唐揚げが口の前に差し出されて渋々それに噛み付く。
何とか口の中に入れて噛むけど、苦しい。なのに、目の前のろーれんは大爆笑してる。手まで叩いてる。
「ははっ、ハムスターみたい」
『おーえんが、わうい』
この人といると楽しい。今日、ろーれんの家に来てよかったって思った。
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な - 伏字お願いします (3月30日 22時) (
レス) id: 596a234c08 (このIDを非表示/違反報告)
髑髏(プロフ) - はじめまして、コメント失礼致します。とても好きな作風の作品に出会えてとても嬉しいです！可能であればkyng登場させられないでしょうか？更新楽しみにしています！ (1月15日 0時) (レス) id: cc975a844d (このIDを非表示/違反報告)
葛(プロフ) - 色んな人と絡みがあってとても面白いです！更新頑張ってくださいね。 (1月5日 6時) (レス) @page16 id: 039532f02f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あられ | 作成日時：2023年9月14日 8時
