影で彩って ページ19
放課後、バイト先に着いて着替え終わってシフトが始まるまで事務所でスマホをいじる。
ノック音が響いて、返事をするとうるかが入って来た。
「今日も一緒なの」
『嫌そうなのやめてよ』
私が言い返すと彼は、じっと私の首を見てニヤついた。はっと思い出してシャツのボタンを上まで閉める。
「もう彼氏出来たわけ？」
『うるかに関係ないないでしょー』
「別れたばっかの癖に」
『あっちだって彼女いるもーん』
彼はもう私の話に興味を無くしたのかロッカーから制服を取り出して更衣室に向かっていった。
なるせさんのカフェは金曜日の夜だけ、閉店時間が12時になる。なるせさんのお友達がお酒を作りに来てくれて、常連も多い。店を走り回ってる間に、時間はどんどん過ぎていった。
『疲れた』
「おつかれ、これ飲みな」
なるせさんがくれたのはノンアルコールカクテル。カクテルは見た目が最高に可愛い。
オレンジの照明が店内を薄暗く彩って、カウンターでグラスを拭くなるせさんの横顔に綺麗な影を落としていた。
『はぁー、眼福』
「何が？」
『なるせさんが』
「何で？」
『かっこいいから』
私がそんな事言っても、少しはにかむだけの反応も大人っぽくてかっこいい。ごみ捨てから帰ってきたうるかも椅子に座って、カウンターに置いてあったカクテルを一気に飲み干した。
『見た目も楽しみなよ』
「え、なに？」
『何でもなーい』
そろそろ帰らなきゃだなと思って、椅子から降りる。いつも金曜日はばにが店まで迎えに来てくれるけど、今日は居ないだろうな。帰る準備をして、少しの期待を込めてドアを開けたけど、見慣れた姿はどこにも無かった。
「あれ？今日一人？」
『ばにとちょっと喧嘩して』
「なるほどな。送ってくよ、車乗りな」
『なるせさ〜ん』
車に乗り込んで、家の住所を教えた。先に口を開いたのは彼の方からだった。
「Aちゃんが来てくれたお陰で、店めちゃ人気になって来たね」
『そんなことないです。なるせさんの努力の賜物です』
「そんな事あるよ、Aちゃん可愛いから絶対人気出ると思ったもん」
『かわ、』
自分の発言に気づいたのか、耳を真っ赤に染める彼の横顔を見つめる。片手で顔を覆ってるけど全然隠せてない。
その時、窓ガラスの向こうに碧を見つけて手を伸ばした。
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な - 伏字お願いします (3月30日 22時) (
レス) id: 596a234c08 (このIDを非表示/違反報告)
髑髏(プロフ) - はじめまして、コメント失礼致します。とても好きな作風の作品に出会えてとても嬉しいです！可能であればkyng登場させられないでしょうか？更新楽しみにしています！ (1月15日 0時) (レス) id: cc975a844d (このIDを非表示/違反報告)
葛(プロフ) - 色んな人と絡みがあってとても面白いです！更新頑張ってくださいね。 (1月5日 6時) (レス) @page16 id: 039532f02f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あられ | 作成日時：2023年9月14日 8時
