唇で伝わる感情 ページ15
「色仕掛けは反則やん」
『イブも見てないで助けてよ』
「俺にもやって」
『はぁ』
それから三人でご飯を食べて、帰り際ふわっちに引き寄せられて囁かれる。
「放課後、ここ来て」
『わかった』
「ん」
この人は声までもこんなに甘いのか。囁かれた耳がずっとくすぐったかった。
『あれ、イブ今日部活行かないの？』
「行かないって今日部活ないし」
『無いの？』
「ないよ。どーかした？」
『んーん、何でもない』
てっきり部活を見に来て欲しいから呼ばれたのかと思ってた。階段を登って部室の前まで来て、扉を開ける。
ただ、かっこいいと思った。楽しそうな顔でギターをかき鳴らす彼が。閉めた扉に持たれてずっと彼を眺めてた。
「俺かっこいいやろ」
『うん。めちゃくちゃかっこいい』
こんなの言われ慣れてるでしょ。何故か驚いてる彼に心の中でそう思う。
「弾いてみる？」
『出来ないよ、ふわっちの見てたい』
「なぁ、湊って呼んで」
床に胡座をかいて座った彼にそう見上げられて言葉に詰まる。顔がいいんだもん。
『湊』
「うん、隣おいで」
彼の横に腰を降ろす。彼は来ていたパーカーを脱いで私の膝に掛けてくれた。
「生足やばいから」
『ありがと』
ただ、彼の横に座って彼がギターの練習をするのを見ていた。それだけで楽しかった。触れてる肩が熱かった。
「あぁぁ、帰りたくねぇ。この空間幸せすぎる」
『先生に怒られちゃうよ？』
下校の放送が流れて、窓の外には部活終わりの生徒がぞろぞろと帰って行く。立って窓の外を眺めてると肩に手が触れて振り返る。
思ったより近かった彼の体を遠ざけようとした手を絡め取られて窓に押し付けられる。彼の大きい手が首に添えられて、体がぴったりと密着した。
「キスだけさせて」
その言葉に目を閉じると唇に柔い感触が触れて、唇を食まれて、見つめ合って、舌が少し絡まって。また優しく触れて。
『そんなキスしないで』
「したいの」
こんな愛情が伝わるようなキスされたら勘違いするよ？彼女でもない女にする様なキスじゃない。
『止めて、』
「嫌やった？」
『嫌、じゃなかったけど。こんなキスは誰にでもするものじゃ無いでしょ』
鞄を取って、帰る準備をする。湊は携帯を見ながら苦い顔をして溜め息をついた。
『幸せにげちゃうよ』
「やな。一緒に帰ろ」
『うん』
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な - 伏字お願いします (3月30日 22時) (
レス) id: 596a234c08 (このIDを非表示/違反報告)
髑髏(プロフ) - はじめまして、コメント失礼致します。とても好きな作風の作品に出会えてとても嬉しいです！可能であればkyng登場させられないでしょうか？更新楽しみにしています！ (1月15日 0時) (レス) id: cc975a844d (このIDを非表示/違反報告)
葛(プロフ) - 色んな人と絡みがあってとても面白いです！更新頑張ってくださいね。 (1月5日 6時) (レス) @page16 id: 039532f02f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あられ | 作成日時：2023年9月14日 8時
