歪な関係が当たり前に ページ14
吐き気を抑えながら家に入り、リビングの前を通る。私が居ない方が完璧に見える家族。楽しそうにご飯を食べて。今、ここに入る勇気は私には無かった。
「A〜、ご飯は？」
『友達と食べてきたからいらない』
「そういうのはちゃんと連絡してよね」
『うん』
イヤフォンを付けてベットに倒れ込む。これで少しはマシになると期待して。
次に目を開けると外は、薄暗くって鳥の声が聞こえて、夜明けだと悟る。怠い体を起こして、シャワーに向かった。
「あれ、今日早いじゃん」
『昨日寝落ちちゃった』
「なるほどね。それ、背中塗ろうか？」
『おねがい』
シャワー後のボディクリームは鉄則。ボトルを手渡しバスローブを腰まで下げて、背中を曝け出す。ブラは着てるから大丈夫。
「いっつも思うけど何でこんな白いの」
『焼けれない体質なんだってば』
クリームが付いた手が私の背中を撫でていく。親指で背骨をなぞられて腰が反る。
「ほっせぇ腰」
『えっち』
「そ、そういう意味じゃ、」
『ふふ、焦ってる』
「うるさいなぁ、はい終わった」
意外と初心な兄に笑いながら、学校に行く準備をする。最近は特に丁寧に、可愛く。念入りに。
「なんか最近可愛いね」
『ほんと？嬉しい』
「俺のため？」
『んー、違うかも』
今の私の言葉でばにの顔が少し曇った。最近、こういうの多い。
『ばに？最近おかしいよ』
「うん。俺おかしくなっちゃった。だからちょっと距離置きたい。」
そんな優しい笑顔で言われても傷つくもんは傷つく。今まで16年間一緒に居て初めてそんなこと言われた。
『ばにのばか』
あぁ、今から学校なのに死ぬ程憂鬱な気分。私は下駄箱にばにを置いて教室まで逃げた。
「今日は一人でお昼ご飯？」
『うん。彩休みだから。イブは部室で食べるんでしょ？』
「そ。おいでよ」
『遠慮しとく』
「連れてかないと面倒臭いから、お願い」
イブがここまで必死なのも珍しい。お弁当を持ってイブと一緒に部室に向かった。
「あ、Aちゃーん！」
『えっと、不破湊だったけ』
「名前覚えてくれてるやん」
さらっと腰に手を回して来て、後ろから抱き締められる。こんな甘い匂いの香水どこに売ってるんだろ。
『離して下さーい』
「いやでーす」
くるっと体を回転させて彼の首に腕を回す。手で彼の襟足を撫でて顔を近づけて、手が緩んだ時に抜け出した。
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な - 伏字お願いします (3月30日 22時) (
レス) id: 596a234c08 (このIDを非表示/違反報告)
髑髏(プロフ) - はじめまして、コメント失礼致します。とても好きな作風の作品に出会えてとても嬉しいです！可能であればkyng登場させられないでしょうか？更新楽しみにしています！ (1月15日 0時) (レス) id: cc975a844d (このIDを非表示/違反報告)
葛(プロフ) - 色んな人と絡みがあってとても面白いです！更新頑張ってくださいね。 (1月5日 6時) (レス) @page16 id: 039532f02f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あられ | 作成日時：2023年9月14日 8時
