素敵な人だから ページ12
日曜日のカフェは忙しい。色んな人が来て、ホールは目が回る。
「Aちゃん、休憩しな」
『なるせさぁん』
ショートケーキが乗った皿とミルクティーが湯気を立てるマグカップを受け取って、キッチンの奥にあるテーブルに座る。
「ちょっと落ち着いたから、俺も休憩」
『来週はお休みですね、何かするんですか？』
「家でゴロゴロして、ゴロゴロする」
『すっごい忙しそう』
「でしょ？」
この人の笑顔はほんとに綺麗だなと思って見惚れる。ふとなるせさんの指にいつもの指輪がないのに気づく。
「指輪、気づいた？」
『ずっと付けてたのに』
「もう未練タラタラ男は辞めようと思って」
『好きだったんですね、ほんとに』
「もう亡くなって五年も経つからそろそろ次に行かなきゃ、怒られそう」
『私だったら怒ってます』
「だよね」
私はこんなにも人を一途に想う事が出来るだろうか。なるせさんの手に自分の手を重ねて、目を見つめる。
『なるせさんは、とっても素敵な人なのですぐに良い人見つかりますよ』
「あ、ありがとう」
『じゃ、ホール行ってきますね。ご馳走様です。』
次の日、バス停で降りて学校に向かってると後ろから声を掛けられる。
「黒瀬さーん、早いね」
『バス混むの嫌いで』
「あぁ。俺、日直」
『あの、名前聞いてもいい？』
「だるまって呼んで、Aちゃんで良い？」
『だるまさん』
「だるま」
『だるさん』
「別にそれでもいいよ」
距離、近くて死にそう。あ、鞄にキーホルダー着いてる。絶対、彼女居るやつ。
『髪の毛、派手だね』
「目立つやろ？Aちゃんも金髪似合いそうやけど」
『一回、全頭したけど痛み過ぎて黒に戻したから、もうしないかな』
「うわ見てみた。写真無いん？」
携帯を出して中学校の卒業式の次の日金髪にした写真を見せる。
「ギャルやん」
『違います。お洒落です。』
「俺黒髪の方が好きやな、今の髪型はどういうカット？」
『レイヤーカットだったはず』
「あー、なんか聞いた事ある。」
『ほんと？』
「嘘」
『だと思った』
心臓ってこんなに早く動けたっけ？いつもより早く学校が見えてきて悲しくなる。
「ちゃんとバスで来んの偉いな」
『だるさんは？歩き？』
「街の方のパーキングにバイク止めてる」
『ローレンと一緒だ』
「そーそー、ローレンと友達？」
『友達ではないかな』
あの人と友達って認めるのはなんか嫌だ。悪の仲間入りする気分になる。
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な - 伏字お願いします (3月30日 22時) (
レス) id: 596a234c08 (このIDを非表示/違反報告)
髑髏(プロフ) - はじめまして、コメント失礼致します。とても好きな作風の作品に出会えてとても嬉しいです！可能であればkyng登場させられないでしょうか？更新楽しみにしています！ (1月15日 0時) (レス) id: cc975a844d (このIDを非表示/違反報告)
葛(プロフ) - 色んな人と絡みがあってとても面白いです！更新頑張ってくださいね。 (1月5日 6時) (レス) @page16 id: 039532f02f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あられ | 作成日時：2023年9月14日 8時
