特別なんて ページ40
あの後会場に戻り、私は友達の晴れ姿を祝い、楽しんだ。披露宴での花嫁のドレスは綺麗なブルーで、私だったら赤色がいいなぁなんて考えていた。
「あの、Aさんですよね」
披露宴が終わり、トイレで手を洗っていると突然話し掛けられる。
「ハヤトさんの彼女です。あの、ハヤトさんとどういう関係なんですか?」
『ただの知人です。私の仕事仲間の誕生日パーティで少し話しただけの。』
「じゃあ何故ハヤトさんから貴方の香水の匂いがしたんですか?」
『私、人との距離近くて、勘違いさせてしまってごめんなさい。』
「嘘つかないで!」
彼女はそう言って私の肩を強く押した。下にあったゴミ箱に気づかなかった私はバランスを崩し足を挫いてしまった。
「きゃっ、ごめんなさい!誰か呼んできます」
私はトイレの床に座りながら人の男に手を出した代償だな。なんて考えていた。その後、スタッフの人に医務室で手当をしてもらい、ホテルのロビーまで送って貰った。
「本当にごめんなさい。」
『大丈夫ですよ。』
私はホテルのロビーで加賀美さんと彼女、友達に囲まれていた。
「誰か迎えに来てもらう?タクシー呼ぶ?」
『ううん。さっき電話したからもうちょっとで来てくれると思う。』
「彼氏?」
『違う違う。友達』
友達と話しながらロビーで迎えを待つ。加賀美さんがあまりにも心配そうな目で見つめるので、彼女が見てない時に彼と目を合わせ大丈夫だよ、と微笑む。大人な彼が耳を赤く染めるギャップにクラクラした。
「A!」
『ローレン。迎えに来てくれてありがと』
「怪我大丈夫?」
『うん。ちょっと腫れてる位。急に呼んじゃってごめんね』
「何時でも呼べ?え、社長?」
「ローレンさんだったんですね。友達。」
「そうっすよ。じゃ、A連れて帰るんで。」
彼はそう言うと、私を姫抱きにした。私は慌てて友達に別れを告げた。友達のあんな驚いた顔は初めて見た。
『ローレン、強引すぎ。』
「加賀美さんに取られたくなかったんだもん」
『だもん。子供みたい笑』
「もー、からかうなよぉ。てか、Aの家まで送るでいい?どっか寄りたいとこある?」
『ローレン家』
「あ?」
『ローレンの家行きたい』
私がそう答えるとローレンは突然Uターンし、車の速度を早めた。
『何で突然スピード出すの?』
「俺ん家来んならゆっくり運転して一緒にいる時間伸ばす必要無いじゃん。」
『なるほどね』
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あられ(プロフ) - kikiさん» 最高なコメントありがとうございます( ᵒ̴̶̷̤◦ᵒ̴̶̷̤ )♡kikiさんの大好きな作品になれてとても光栄です。これからも頑張ります(˶'ᵕ'˶ )︎ (7月17日 8時) (レス) id: 14434f380f (このIDを非表示/違反報告)
あられ(プロフ) - 雨と雫さん» コメントありがとうございます(՞ . .՞)"剣/持さん、未成年、厳しくて。ほしるべさんがんばってみますね! (7月17日 8時) (レス) id: 14434f380f (このIDを非表示/違反報告)
kiki(プロフ) - 毎日読み返すほど大好きな作品です。皆んな其々魅力的でエチで最高…なにより夢主ちゃんの一言一句が可愛すぎます!あられさんの丁寧な構成と文章が大好きです。 (6月28日 0時) (レス) id: 06ea98624c (このIDを非表示/違反報告)
雨と雫(プロフ) - すごく面白いです!!できたらリクエストで剣/持さんとかできますかね?あとこれは本当に出来たらでいいんですけどほしるべさんとかできたりしますか?お願いします!!更新頑張ってください!! (6月27日 16時) (レス) @page45 id: 312a1378ed (このIDを非表示/違反報告)
あられ(プロフ) - にゃーちゃんさん» コメントありがとうございます(ᐢ>-<ᐢ)リクエスト助かります(˶'ᵕ'˶ )︎ (6月26日 8時) (レス) id: 14434f380f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:あられ | 作成日時:2023年5月4日 8時