僕のになって ページ37
「二人でベランダで話してきたら?」
『うん。ありがと、叶さん行こ』
「うん。」
私の名前を呟くなり、俯いてしまった叶さんの手を引きながらベランダに出る。風が冷たい。
「ごめんね。」
『何で叶さんが謝るの?』
「僕、困らせたもん。Aのこと」
『困ってないよ。ちょっと混乱しただけ』
下を向きながら話す叶さんは小さな男の子のよう。私はそっと叶さんの手を握った。
「そういうことしないでよ」
『嫌だった?ごめんね』
「これ以上好きになりたくないんだもん。」
「隣に居るのは僕だけでいいし、僕だけを見て欲しい。四六時中そんなことばかり考えてる。本当はもっと一緒にいたい。他のやつなんかに抱かれて欲しくない。」
叶さんはそういうと私を強く抱きしめた。
「僕のものになってよ。」
私はどうする事も出来ず、黙ったままでいた。突然、ベランダの扉が開けられた。
「叶さんでも、Aは譲れないっすよ。俺、本気なんで。」
『ローレン?』
わたしが彼の名前を呼ぶと、彼は叶さんの腕の中から私を引き寄せ、自分の腕の中に閉じ込めた。
「さっき、くっさんとかと話したんすけど、俺たちからAに告白すんのは無しにしましょ。俺らは待つだけです。Aが選ぶ。」
「分かった。でも、アピールすんのは自由でしょ?」
「そうっすね」
私はローレンの体温に高鳴る心臓を抑えながら、黙って話を聞いていた。告白されると返事に困るので、私にとっても好都合だった。
「A、それでいい?」
『うん』
ローレンの顔を見上げながら返事をすると、段々彼の顔が近づいてくる。あと、少しで唇が当たりそうな所で私の電話が鳴った。
『もしもし?』
「出んのかよ」
「あ、Aさん?急にごめん。声聞きたくなっちゃって。いまから会えない?」
『ごめん。今、友達と飲んでて。また、誘って?』
「分かった。じゃね」
しゅんとなったばにさんの顔が思い浮かんで来る。次は、私から誘おっかななんて思う。
「誰から?」
『ばにらさん』
「CRの?」
『うん』
「もー、ライバル多すぎだろ」
部屋の中に入って葛葉達の元に戻り、飲み会を始めた。
「ローレン、止めれた?」
「くっさん、まじナイスタイミング。ちょうど抱き合ってた」
「やっぱり葛葉だった。僕、ローレンそんな事しないと思ったもん。」
『イブさん、これ美味しい?』
「うん。1口あげるよ」
『ありがと』
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あられ(プロフ) - kikiさん» 最高なコメントありがとうございます( ᵒ̴̶̷̤◦ᵒ̴̶̷̤ )♡kikiさんの大好きな作品になれてとても光栄です。これからも頑張ります(˶'ᵕ'˶ )︎ (7月17日 8時) (レス) id: 14434f380f (このIDを非表示/違反報告)
あられ(プロフ) - 雨と雫さん» コメントありがとうございます(՞ . .՞)"剣/持さん、未成年、厳しくて。ほしるべさんがんばってみますね! (7月17日 8時) (レス) id: 14434f380f (このIDを非表示/違反報告)
kiki(プロフ) - 毎日読み返すほど大好きな作品です。皆んな其々魅力的でエチで最高…なにより夢主ちゃんの一言一句が可愛すぎます!あられさんの丁寧な構成と文章が大好きです。 (6月28日 0時) (レス) id: 06ea98624c (このIDを非表示/違反報告)
雨と雫(プロフ) - すごく面白いです!!できたらリクエストで剣/持さんとかできますかね?あとこれは本当に出来たらでいいんですけどほしるべさんとかできたりしますか?お願いします!!更新頑張ってください!! (6月27日 16時) (レス) @page45 id: 312a1378ed (このIDを非表示/違反報告)
あられ(プロフ) - にゃーちゃんさん» コメントありがとうございます(ᐢ>-<ᐢ)リクエスト助かります(˶'ᵕ'˶ )︎ (6月26日 8時) (レス) id: 14434f380f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:あられ | 作成日時:2023年5月4日 8時