突然の接近 ページ33
『お邪魔します』
「どーぞー」
ばにさんの部屋は整頓されてて綺麗だった。それに、なんかいい匂いする。
『これ、防音室?』
「そうそう。入る?」
『入ってみたい』
彼は私を防音室に入れてくれた。初めて見る配信者のデスクに私は彼にたくさん質問してしまった。
「あ、ごめん通話来た。一瞬出ていい?」
『うん、いいよ。これ触ってもいい?』
「んふ、どうぞ」
私が部屋に飾ってある置物を見てると、通話の相手の声が聞こえた。
「あ、バニ?」
私は手に持ってたぬいぐるみを落としてしまった。
「ん、大丈夫?これ、落としたよ。」
『あ、ありがとう』
「誰か来てるん?」
「そう。この前言ってた、Aさん。」
心臓の音が聞こえそうなぐらいうるさい。だるまさんに私の話してたの?だるまさん私だって気づいてる?ばにさんに話したかな?駄目だ。頭の中がパンクしそう。
「あぁ、萌奈の友達の?」
「そうそう。」
萌奈のこと呼び捨てなんだ。だるまさんの一言は私を昔の弱い女の子へと引き戻した。泣き出しそうになっている私を見てばにさんが目を見開く。
「え、大丈夫?どした?」
『大丈夫。ごめん、お手洗い借りる。』
私はトイレに逃げこんだ。上を向いて今にも溢れてきそうな涙をどうにか抑えようと頑張る。頭の中にだるまさんの声がこびりついて離れない。
「A?大丈夫?」
ばにさんの声が聞こえて私は扉を開けて彼の胸に飛び込む。彼は何も言わずに私の背中に手を回して背中を撫でてくれた。
「だるさんと、何かあったの?」
彼は私をソファに座らせ、優しく尋ねた。ここまで来てごまかす事は出来ないだろうと思い、私はだるまさんとのことをばにさんに話した。
「そんな男と付き合ったら、男信じれるわけないよな」
『でしょ?』
話しているうちに少しずつ落ち着いてきて、体の中から少女を追い払う。
「そんな奴忘れて、今日は飲もーぜ」
『うん。賛成。』
ばにさんのする話は面白くて、私の話も笑って聞いてくれて、こういう人を彼氏にしたいなぁなんて考えてた。
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あられ(プロフ) - kikiさん» 最高なコメントありがとうございます( ᵒ̴̶̷̤◦ᵒ̴̶̷̤ )♡kikiさんの大好きな作品になれてとても光栄です。これからも頑張ります(˶'ᵕ'˶ )︎ (7月17日 8時) (レス) id: 14434f380f (このIDを非表示/違反報告)
あられ(プロフ) - 雨と雫さん» コメントありがとうございます(՞ . .՞)"剣/持さん、未成年、厳しくて。ほしるべさんがんばってみますね! (7月17日 8時) (レス) id: 14434f380f (このIDを非表示/違反報告)
kiki(プロフ) - 毎日読み返すほど大好きな作品です。皆んな其々魅力的でエチで最高…なにより夢主ちゃんの一言一句が可愛すぎます!あられさんの丁寧な構成と文章が大好きです。 (6月28日 0時) (レス) id: 06ea98624c (このIDを非表示/違反報告)
雨と雫(プロフ) - すごく面白いです!!できたらリクエストで剣/持さんとかできますかね?あとこれは本当に出来たらでいいんですけどほしるべさんとかできたりしますか?お願いします!!更新頑張ってください!! (6月27日 16時) (レス) @page45 id: 312a1378ed (このIDを非表示/違反報告)
あられ(プロフ) - にゃーちゃんさん» コメントありがとうございます(ᐢ>-<ᐢ)リクエスト助かります(˶'ᵕ'˶ )︎ (6月26日 8時) (レス) id: 14434f380f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:あられ | 作成日時:2023年5月4日 8時