甘い声 ページ32
昨日、葛葉は夜に帰って行った。今日は、高校の友達と約束があり、14時頃に家を出る。
「あ!A〜!久しぶり!」
「なんか雰囲気変わった?」
「黒髪新鮮だねぇ」
高校時代を思い出させる3人に笑いつつ、席に座る。
「Aは彼氏作んないの?」
『うん。今はいいかなって。』
「もう、あの人みたいなのは辞めときなよ。」
『そだね、笑』
この3人は私とだるまさんの関係を知ってた。私がボロボロになった時、助けてくれたのはこの人たち。最近、だるまさんに近い所で仕事した話は黙っておこうと思った。
「でも、作る気ない時に良い人が現れて、その人とそのまま結婚。ってよくある話だよね。」
「確かに。」
女の子の会話の回転の速さに感心しつつも、話が逸れたことに感謝する。
「じゃ、またね!」
「ばいばーい」
『結婚式楽しみにしてる』
「うん!ありがとう!」
友達の「彼氏を作る気ない時に限って良い人が現れる」って言葉を頭の中で考えながら駅に向かって歩く。
「Aさん!」
突然声を掛けられて、振り向くと端正な顔と目が合う。
『ばにさん?』
「そう!覚えててくれたんすね」
そう言って笑う彼の顔は私の心音を少し速くした。
「今、帰り?」
『うん』
「遊び行きません?」
『いいよ』
カラオケに行く事になって、2人で歩きながら向かう。ヒールで躓いた私の手を彼が掴んで引き寄せてくれた。
「びっくりした。大丈夫?」
『うん。ありがとう』
私の手の平は彼の骨ばった手に包まれていた。彼は私と手を繋いだまま歩き出す。私は何となく恥ずかしくて俯いて歩いた。
「手繋ぐの嫌?」
『嫌じゃない。恥ずかしい』
「、、なるほど」
カラオケについて1時間。私は彼の甘い歌声の虜になっていた。
『これ、歌える?』
「ん?歌えるよ」
『歌って欲しい』
「いいよ」
私は彼にある曲をリクエストした。大好きな曲を彼の声で聞きたいと思ってしまった。
「この曲をAに捧げます。」
『それっぽい笑』
彼のこういったおふざけは私の心を揺らす。少し悲しいラブソングに彼の甘い声はとても合っていた。最後の1文、彼は私の目を見つめて歌った。
『最高だった。ありがとう』
「この歌好きなの?」
『うん。これが主題歌のドラマも好き。』
「あーね。」
もう何曲か歌ってカラオケから出る。
「俺の家来る?」
『いいの?』
「うん。夜ご飯どっかで買うか」
『いいね』
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あられ(プロフ) - kikiさん» 最高なコメントありがとうございます( ᵒ̴̶̷̤◦ᵒ̴̶̷̤ )♡kikiさんの大好きな作品になれてとても光栄です。これからも頑張ります(˶'ᵕ'˶ )︎ (7月17日 8時) (レス) id: 14434f380f (このIDを非表示/違反報告)
あられ(プロフ) - 雨と雫さん» コメントありがとうございます(՞ . .՞)"剣/持さん、未成年、厳しくて。ほしるべさんがんばってみますね! (7月17日 8時) (レス) id: 14434f380f (このIDを非表示/違反報告)
kiki(プロフ) - 毎日読み返すほど大好きな作品です。皆んな其々魅力的でエチで最高…なにより夢主ちゃんの一言一句が可愛すぎます!あられさんの丁寧な構成と文章が大好きです。 (6月28日 0時) (レス) id: 06ea98624c (このIDを非表示/違反報告)
雨と雫(プロフ) - すごく面白いです!!できたらリクエストで剣/持さんとかできますかね?あとこれは本当に出来たらでいいんですけどほしるべさんとかできたりしますか?お願いします!!更新頑張ってください!! (6月27日 16時) (レス) @page45 id: 312a1378ed (このIDを非表示/違反報告)
あられ(プロフ) - にゃーちゃんさん» コメントありがとうございます(ᐢ>-<ᐢ)リクエスト助かります(˶'ᵕ'˶ )︎ (6月26日 8時) (レス) id: 14434f380f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:あられ | 作成日時:2023年5月4日 8時