愛されたいのは ページ31
〜不破side〜
俺の仕事は愛を与える事だ。お店に来てくれた子には直接たくさんの愛をばら撒く。配信に来てくれた人には楽しんで貰えるよう精一杯頑張るし、日々、努力する。愛を与える事は嫌いじゃないし、たくさんの愛も貰ってる。でもたまに、ホストでも、VTuberでもない俺は愛されるのだろうかと不安になる。
「不破くん、次どこ行く?」
「あの店どう?前から気になっとってん」
ワンナイトのつもりが謎に引きずってくる女の子と、1度だけでいいからデートして欲しいと言われ、買い物に付き合わされ今に到る。お昼ごはんを食べたら解散という約束なのです適当な店を指す。
「わー、あんなカップル憧れるなぁ」
そう言った女の子が指した先を見る。
「え、」
そこに居たのはローレンとAだった。2人が纏う甘い空気はもう恋人のそれ。Aと俺はただの体の関係。そこに恋心なんてある訳ないのに、息がしづらくて仕方ない。
「ごめん。俺、用事思い出した。帰るわ。」
「え?、不破くん?!」
追いかけて来る女の子を無視してタクシーに乗り込む。頭の中からあの光景が離れない。あんな笑顔、見た事ない。タクシーの中、窓の外を眺めていても頭の中には嫉妬が黒く渦巻いていた。
「ふわっち!?突然どしたん?」
タクシーに乗り込んだ俺はそのまま友達の家に向かった。
「明那〜、助けて〜」
「取り敢えず、家入って」
明那は特に何も聞かずに俺を家に入れて、ソファーに座らし、お茶をくれた。俺がAに感じた感情を話してる時もずっと合図値を打ちながら静かに聞いてくれた。
「ふわっち、好きなんじゃない?その子のこと。」
「でも、他の女の子と変わんないよ。やってること。」
「その子が、不破湊自身を求めてくれてるからじゃないの?だって、出会ったのも、夜中に必要とされたのも、ホストでもVTuberでもない"不破湊"だったんでしょ」
俺は明那に抱きついた。こんな良い奴が友達だった事に心から感謝する。明那は笑いながら俺の背中を優しく叩いてくれた。
次の日の午前、Aに会いたくなって、少し緊張しながら電話を掛ける。
「もしも〜し」
「あ?なんで葛葉が出んだよ」
「A、今皿洗ってるから。」
最悪な出だしに、Aに恋した自分が可哀想になる。
「じゃ、切るわ」
「なぁふわっち、Aに恋してんのってお前だけじゃないから。」
前途多難が過ぎる。
1889人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
あられ(プロフ) - kikiさん» 最高なコメントありがとうございます( ᵒ̴̶̷̤◦ᵒ̴̶̷̤ )♡kikiさんの大好きな作品になれてとても光栄です。これからも頑張ります(˶'ᵕ'˶ )︎ (7月17日 8時) (レス) id: 14434f380f (このIDを非表示/違反報告)
あられ(プロフ) - 雨と雫さん» コメントありがとうございます(՞ . .՞)"剣/持さん、未成年、厳しくて。ほしるべさんがんばってみますね! (7月17日 8時) (レス) id: 14434f380f (このIDを非表示/違反報告)
kiki(プロフ) - 毎日読み返すほど大好きな作品です。皆んな其々魅力的でエチで最高…なにより夢主ちゃんの一言一句が可愛すぎます!あられさんの丁寧な構成と文章が大好きです。 (6月28日 0時) (レス) id: 06ea98624c (このIDを非表示/違反報告)
雨と雫(プロフ) - すごく面白いです!!できたらリクエストで剣/持さんとかできますかね?あとこれは本当に出来たらでいいんですけどほしるべさんとかできたりしますか?お願いします!!更新頑張ってください!! (6月27日 16時) (レス) @page45 id: 312a1378ed (このIDを非表示/違反報告)
あられ(プロフ) - にゃーちゃんさん» コメントありがとうございます(ᐢ>-<ᐢ)リクエスト助かります(˶'ᵕ'˶ )︎ (6月26日 8時) (レス) id: 14434f380f (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:あられ | 作成日時:2023年5月4日 8時