夜の過ごし方

おもっていたより近く ページ24

『ほんとに1人で帰れる？』

「大丈夫だって」

『分かった。気を付けてね』



湊が帰った後、葛葉は起きてきてシャワーを浴びて帰って行った。帰る時、私の手の甲にキスをして。外国の貴族みたいに自然だった。



『今日の夜は独りか』


てっきり葛葉は今日も泊まっていくと思ってたから誰とも約束してないし、今から着替えるのも面倒臭い。お酒を飲んで寝てしまおう。






『ふぅ、結構飲んだな』

目の前の机にはハイボールのロング缶が3缶、空になって置いてある。1人の夜は泥酔しないと寝れない。そして、人間は酔った1人の夜はいつもはしないような事をしてしまうもので。




『誰か知ってる人配信してないのかな？』



寝る準備をして、ベットに入る。そしていつもは音楽を聞く時にしか開かないYouTubeを開いた。


『あ、湊配信してる』


スプラトゥーンか、これ面白いんかなとか思いながら画面を見つめる。



「ナイス〜」






ん？ウソでしょ。いや、そんな訳が無い。



「それは違うやん、それ俺出来やんて」



その声が聞こえた瞬間画面のdiscordのアイコンが1つ光るる。


『だるま、いずごっと』


私の脳裏には私がこの世で1番愛していた男の顔が浮かんだ。私はあの人の事をだるまさんと呼んでいた。初めて会った時にだるまをくれたから。



私は引き出しから睡眠薬を取り出し、ウイスキーで飲み込んだ。私の最終手段。






『だるまさん、』





次の朝、私の頬には涙が伝った後があった。

『まだ、吹っ切れてないなんて馬鹿みたい。』



思っていたより女々しい自分に嫌気をさしながら、私は仕事に行く準備をする。最悪な事に、向かう先はCRの事務所だ。

貴方です。→←紫の襲撃＊

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