能力について ページ22
「副作用っていうのかな、そういうのは…今のところは、無い。」
翔さんは付け足すようにそう言うと、雅紀さんの方を向いてちらりと目配せした。
「え？翔ちゃん終わり？」
雅紀さんは驚いて目を丸くしていたけど、周りを伺いながら自身のことを話し出した。
「えと…あ、じゃあ俺の能力は、動物たちと話せるってことかな。あとは、気持ちが合えば、力を借りることもできるけど。」
その言葉に、黒く艶やかな羽を広げた雅紀さんの姿を思い出す。
カラスと一体化した雅紀さんの姿は、忘れられないくらいかっこよかった。
「この力の副作用はー…使ったあと、俺も動物たちも体調が悪くなることかなあ。いつもってわけじゃないけど、時間が長かったりとかすると頭痛くなったりするし。あとは、一体化してる時に俺がケガをすれば戻った時にお互いその傷がそのまま残ったりする。
…だから、あんまり一体化は使わないんだ。俺のせいでケガするのは嫌だしね。」
雅紀さんは何かを考えているように自身の手を見つめながら能力について話すと
翔さんはそれを正確に書き取って「ありがとう」とお礼を言った。
「あ、じゃあ次は俺で。」
ニノが小さく手を挙げて言うと、翔さんは返事をしてノートを取る準備を整えた。
「俺の能力は、いろんなものを操作すること。機械はもちろん人間も、今のところ記憶くらいなら操れる。」
ニノはすらすらと迷いなく答えると、翔さんがしっかり書き留めるのをちらりと見た。
「副作用は…感情に力が左右されること。ちょっと間違えば電子機器はショートするし、記憶も…やったことはないけど、たぶん酷いことになる。」
ニノは瞳に影を映したけど、それも一瞬で
「次、潤くんね。」と言って俺の肩を叩いた。
そりゃみんなもう言ったし、わかってたはずだけど
なんとなく、改めてみんなの前で話すのは少し緊張した。
「あ、えっと。俺の能力は…感覚が鋭くなること、だと思う。」
…正直自分でもまだ、この能力の可能領域がわからない。
だからこそずっと、屋上で能力を試していたんだ。
「遠くの音も拾えるし、普通の人なら見えない距離も集中すれば望遠鏡みたいに見える。多少運動能力もアップするみたいだし。」
静かな教室に俺の声が響く。
「副作用は…使いすぎると体の自由が利かなくなること。急に体の力が抜けて倒れそうになることもあるし…」
翔さんが正確にノートを取る音がやけに大きく耳に響いた。
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くろねこ(プロフ) - 柊さん» コメントありがとうございます！そう言っていただけて何よりです(*^^*)今後ともどうぞよろしくお願いします！ (2022年1月3日 21時) (
レス) @page31 id: 5b6f3182f9 (このIDを非表示/違反報告)
柊(プロフ) - コメント失礼致します。『約束』の斗真くんの「誕生日おめでとう」に涙腺崩壊しました。大好きです。 (2022年1月2日 1時) (レス) @page31 id: 9a230f5c32 (このIDを非表示/違反報告)
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