調べもの ページ3
「やっぱないか…」
1人、図書室で唸る俺。
蔵書数6万、パソコン完備の図書室で探しているものといえば、それはもちろん能力のこと。
まあ、学校の図書室じゃ限界があるのも当然だけど。
「うーん…」
学力こそ素晴らしく高いわけではないけれど、結構昔からある学校なんだけどな。
大正から昭和初期の版本なら保存してあるって話も聞いたし…
やっぱそう簡単にわかるわけないか…
ぐうっと背もたれに体重を預けると、かすかに外から部活動に励む生徒の声が聞こえてきた。
学校一括管理の冷房がおまけ程度に効いている部屋の中で、1人ふわぁとあくびをする。
結局毎日トレーニングは続けていて、おかげさまでコントロールできるようにはなってきたけど、使用後の疲労と倦怠感だけはどうしようもない。
おそらく副作用みたいなものだろうけど。
ちらりと時計を見てまだ午前中なのを確認すると
俺はゆっくりと目を閉じた。
…
どのくらい経っただろうか。
気づいたら、指先が冷たくなっていて目が覚めた。
いつの間にか窓からの日差しは鋭さを増していて、思わず目を細める。
「おはよ。」
隣から急に声がしたのに驚いて目を見開くと、そこにはニノがいて。
「お昼。帰ってこないからどこ行ったのかなって思って。」
その言葉に時計を見ると、時刻は2時過ぎ。
だんだん意識がはっきりしてくると、空腹も目を覚ましたようにお腹で主張し始めていた。
「先輩たちは？」
「翔さんは生徒会でいなくて、大野さんは絵描きに行って戻ってこないし。相葉さんは部活。」
「みんないないのか…ごめんニノ。」
「んー、だいじょぶ。ずっとゲームしてたし。
ここ暑いし、部室戻ろ？」
寝ていた俺でさえこんなにお腹が空いてるから、ニノはもっと空腹だろうと思って謝ったけど、当の本人はさほど気にしていないようで
俺の手を取ってすたすたと歩き出す。
「今日のお昼はねー、ハンバーガーがいいなー。」
「えっ、俺が作んの？」
「潤くんのハンバーグ美味しいんだもん！」
ご機嫌なニノと、引っ張られながらついていく俺。
夏休み中の静かな校舎内に、俺とニノの笑い声が響いていた。
…
「いっただきまーす！」「いただきます。」
なんだかんだと言いながらも、2人分並んだハンバーガーに2人で手を合わせた。
「んふふ、やっぱ潤くんのハンバーガー美味しい♪」
ニノが嬉しそうな顔をするから、また作っちゃうんだろうな…
密かにそんなことを考えていた。
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くろねこ(プロフ) - 柊さん» コメントありがとうございます！そう言っていただけて何よりです(*^^*)今後ともどうぞよろしくお願いします！ (2022年1月3日 21時) (
レス) @page31 id: 5b6f3182f9 (このIDを非表示/違反報告)
柊(プロフ) - コメント失礼致します。『約束』の斗真くんの「誕生日おめでとう」に涙腺崩壊しました。大好きです。 (2022年1月2日 1時) (レス) @page31 id: 9a230f5c32 (このIDを非表示/違反報告)
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