瑠璃色の空～特別編～ (ページ35)

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…それからは、あんまり覚えてないけど

リビングに残された僕は、相葉さんと一緒に片付けをしたと思う。

相葉さんは気を遣ったのか、僕に特に声をかけることもなく

ただただ淡々と作業が進んでいっただけだった。
　

あまりにも散らかりすぎて、翔さんと大野さんが帰ってくるまでにはさすがに終わらなくて

2人には帰ってきた時にびっくりされたけど

事態をいち早く察したらしい翔さんは何も聞かずに、僕と相葉さんに早く片付けるように命じただけで。

大野さんは気づいているんだかいないんだかよくわからなかったけど

それでもあからさまに落ち込んでいる僕に気を遣ってか、珍しくジュースを奢ってくれた。

能力の勉強の時間にも、僕たちは一言も話をせず

大野さんと相葉さんに気を使わせてしまって
2人が居心地悪そうにしていただけだった。

…

「いただきます。」

「いただきまーす。」

「いただきます…」

そんな感じだから、もちろん夕食もなんだかぎこちない。

大野さんも翔さんも相葉さんも食事の挨拶がいつもより控えめだし、なんなら僕とジュンくんは手を合わせはしたもののほとんど声は発してなかったし。

表情豊かなジュンくんが仏頂面で黙々とご飯を食べているのはなんだか怖くて、僕はほとんど箸が進まなかった。

…今日は、僕の大好きなハンバーグなのに。

「…ごちそうさま。」

ジュンくんは夕食を食べ終わると、食器を下げて部屋へと戻っていってしまった。

「カズ、食べないの？」

「んー…」

翔さんが心配するのも当然。

僕の皿には好物のはずのハンバーグが軽く3分の2は残っている。

「今日はもういいや…ごちそうさま。」

「ラップして冷蔵庫にいれときな。明日の昼とかに食べなよ。」

翔さんの言葉におとなしく従ってキッチンから戻ってくると、シュンと眉を下げた相葉さんと目があった。

「美味しくなかった？」

「いや…そうじゃないのよ。別に…」

相葉さんだってわかってるんだろうけど、あえて聞いてくるのは元気を出せってことなんだろうか。

自業自得だってのはわかってるけど、まさかジュンくんの口から大っ嫌いなんて言葉を聞くとは思わなかった。

あれからジュンくんは目も合わせてくれないし

ゲームをしたって全然集中できない。

「じゃあ、おやすみなさい…」

とぼとぼと肩を落として自室に帰る僕を、3人が心配そうに見ていた。