7.時を止める ページ7
櫻井side
「…うわっ」
避け続けること、どれくらいだろう。
力を使わない分体力の消耗は少ないものの
能力は解放するだけでエネルギーを使う。
「はぁ、はぁ…」
普段力を使うことが少ないから、結構キツイ。
ちらりと雅紀を見ると、彼も同じように肩で息をしていた。
…それにしても。
銀髪の少年は、俺らを捕らえることができなくて
はっきりと表してはいないものの、焦っているようだ。
俺らを鋭く睨みながら、ひたすらに衝撃波を放ち続けている。
…そうなると、体力の消耗は激しいはずなのだ。
だけど、彼は確かに疲れてはいるようだけど
まだまだ戦えそうだった。
体の大きさやその年なら、もう倒れててもおかしくはないんだけど…
相当強い能力の持ち主なのか、それとも…
「くっそ…埒が明かねぇ…」
イラついたのか、銀髪の少年はそう呟いて
キラリと銀色の瞳を光らせた。
「…逃げるぞ、カズ！」
そう叫ぶやいなや、隣の金髪の少年の手を握り
空いている右腕をあげて______
「ストップ！」
少年の口がそう動いたと同時にキィンと耳鳴りがして…
風景が、セピア色になって止まった。
「⁈」
驚いて体を動かそうとしたが、それもできない。
目線すらも動かせないから、雅紀の方も向けない…
これは…時を止められた？
「行くぞ、カズ！」
銀髪の少年は金髪の少年を促して外に出ようと窓を開けた。
時が止まってても、動かしたいものは動かせるんだろう。
やばい…逃げられる！
少年たちが逃げ出そうと、窓のレールに手を掛ける。
と、その時。
「はい、そこまで。」
ぱぁんと乾いた音がして、一瞬にして体に重さが戻ってきて思わずよろけた。
「な…」
驚いた表情で少年たちが振り返った。
その瞳には、驚きと怯えが混在している。
「ダメだよー。家の中で暴れちゃあ。」
部屋の中に入ってきたのは智くんだった。
おそらく、彼の技を解いたのも智くんなんだろう。
智くんがパチンと指を鳴らすと、少年たちが少し弾かれた。
窓に水のバリアを張ったのだ。
「…あんたらに…あんたらなんかに、捕まってたまるかよ…」
肩を大きく上下させて、声を絞り出すように言う銀髪の少年。
金髪の少年の方は、目に涙を溜めて、こぼさないようにか必死に唇を噛み締めている。
「…とりあえず、時間が必要かな？」
智くんが彼らを見て、俺たち2人の手を引いて部屋を出た。
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くろねこ(プロフ) - 優子さん» ここまでお読みいただきありがとうございます！毎回感想を頂けて嬉しいです*\(^o^)/*また次の章もお読みくださると嬉しいです！ (2016年1月1日 21時) (
レス) id: ac080df625 (このIDを非表示/違反報告)
優子 - 読みました。翔君大丈夫かな？心配だよ。 (2016年1月1日 20時) (レス) id: 059e629431 (このIDを非表示/違反報告)
優子 - 読みました。智君に知られたら大丈夫かな？すぐにばれそうだね。続きが気になります。 (2016年1月1日 13時) (レス) id: 059e629431 (このIDを非表示/違反報告)
くろねこ(プロフ) - 優子さん» 翔くんのピンチを救った雅紀くん。ずいぶんシリアスな展開になりましたなぁ（他人事）笑 (2016年1月1日 12時) (レス) id: ac080df625 (このIDを非表示/違反報告)
優子 - 読みました。翔君ピンチだよ。気になります。 (2016年1月1日 7時) (レス) id: 059e629431 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：くろねこ
| 作成日時：2015年12月18日 21時
