6.覚醒 ページ6
櫻井side
能力者については、わかっていないことが多い。
見た目は普通の人と何ら変わりないんだけど
なぜか俺らは力が使える。
生まれついた時から備わっていたこの力は
不思議なことばかりだ。
…
「目、覚めるといいなぁ…」
とりあえずできる限りの手当てをして、2人を寝かせた。
智くんが「ちょっと寝てくるわ。
2人が目ぇ覚めたら呼んで〜」
と部屋を出ていったので、今は俺と雅紀の2人。
2人は、着ている服(と言っても薄いTシャツ1枚)はボロボロで、体は傷だらけ。
「何があったんだろうね…」
雅紀も心配そうに、ちらりと2人を見た。
まだまだ幼い顔の2人は、元気に学校に通っていてもおかしくない年頃。
親は？友達は？
疑問は尽きないけど、今すぐに聞きだせるはずもない。
「かわいい顔してるよね…
俺、年下の子とほとんど接することないから新鮮だなぁ」
雅紀がふふっと笑って、2人に顔を近づけた。
「仲良くなりたいね、雅紀？」
そう声を掛けると、「うん！」と太陽のような笑顔を俺に見せた。
…その時だった。
「う…」
小さなうめき声がして、銀髪の少年がゆるゆると目を開いた。
「う…ぁ…」
そして、そのすぐ後に金髪の少年も目を覚ます。
「あ、起きたみたいだね！」
雅紀がいつものように明るく声をかけると
ぱちっと2人と目があった。
「あ、体調は…」
雅紀がそう尋ねようとした、その時
「お前ら誰だっ？」
銀髪の少年がそう叫び、金髪の少年を守るように前に立った。
そして、敵でも見るような燃えるような目で俺らを睨みつけている。
予想通り、彼らの瞳は金と銀____
「え、ちょっ…」
俺らはすぐにその場から飛び退いた。
すぐに真後ろでドカンと大きな音がする。
よけた場所からは白い煙が上がっていた。
銀髪の少年が、右手から衝撃波を放ったのだ。
「ちょ、俺らは戦う気は…」
また飛び退く。
ビュンビュンと衝撃波がすぐ横を飛んでいく。
「聞いてくれないみたいだな…」
彼らを傷つける気はさらさらないが、こうなっては仕方ない。
雅紀と一瞬のアイコンタクトをとり、能力を解放した。
雅紀の髪と瞳が鮮やかな黄緑に変わる。
俺の髪と瞳も赤に染まっているだろう。
体が浮くように軽くなった。
「傷つけたらダメだよ。
いつかは疲れるはずだから、そこで話を聞いてもらおう。」
「わかってるよ、翔ちゃん。」
雅紀の声が、頭に響いた。
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くろねこ(プロフ) - 優子さん» ここまでお読みいただきありがとうございます！毎回感想を頂けて嬉しいです*\(^o^)/*また次の章もお読みくださると嬉しいです！ (2016年1月1日 21時) (
レス) id: ac080df625 (このIDを非表示/違反報告)
優子 - 読みました。翔君大丈夫かな？心配だよ。 (2016年1月1日 20時) (レス) id: 059e629431 (このIDを非表示/違反報告)
優子 - 読みました。智君に知られたら大丈夫かな？すぐにばれそうだね。続きが気になります。 (2016年1月1日 13時) (レス) id: 059e629431 (このIDを非表示/違反報告)
くろねこ(プロフ) - 優子さん» 翔くんのピンチを救った雅紀くん。ずいぶんシリアスな展開になりましたなぁ（他人事）笑 (2016年1月1日 12時) (レス) id: ac080df625 (このIDを非表示/違反報告)
優子 - 読みました。翔君ピンチだよ。気になります。 (2016年1月1日 7時) (レス) id: 059e629431 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：くろねこ
| 作成日時：2015年12月18日 21時
